特許出願分野 デジタル技術が半導体を抜いてトップへ LED、太陽電池関連出願も大幅に成長 次世代産業の動向を反映

J100923Y1・J100921Y1 2010年10月号(J134)

 知的財産局の統計によると、去年の特許出願はデジタルデータ処理に関する技術が2,722件と最も多い。アップル社のスマートフォン「iPhone」の発売に伴い、タッチパネルの需要が高まり、特許出願件数の消長にも反映している。一方、2009年における半導体産業分野の特許出願件数は1,796件と二番目に多いが、技術の成熟化により、減少傾向が目立つ。特許出願数は3~4年先の市場動向を反映するといわれることから、デジタルコンテンツ処理などのデジタル技術・製品がしばらく世の中を盛り上げる材料となるだろう。

 これから注目に値するのは、グリーンエネルギーテクノロジーがもたらすビジネスチャンスである。世界市場をリードする半導体産業が後押しする中、太陽電池・モジュール製造技術・設備に関する特許出願数が2007年から2009年までの三年間で105%の成長率を実現し、太陽電池の生産量も2007年にアメリカを追い越し、世界四位になった。

 LED産業界は急速に発展しつつも、LED世界大手五社が所有する発光ダイオード関連基本特許で築かれた包囲網を突破するには、新技術の開発を急ぐ必要がある。こうした取り組みは2009年の特許出願数(740件)に反映されている。

 2009年の特許出願数はそれぞれデジタルデータ処理、半導体装置、光学制御、プリント回路及び映像通信が上位5位を占め、総出願数の28.8%を占めている。少数の技術分野に過度に集中するのが産業の発展・多様化には好ましくない、と知的財産局は調査の結果にコメントした。

台湾における特許出願技術分野トップファイブ

年度

技術分野

2007年

2008年

2009年

件数 総出願数に対する割合 件数 総出願数に対する割合 件数 総出願数に対する割合
デジタルデータ処理

2,276件

9.80%

2,691件

11.30%

2,722件

12.00%

半導体装置

2,538

10.90

2,102

8.80

1,796

7.90

光学制御 

766

3.30

942

4.00

740

3.30

プリント回路

839

3.60

867

3.60

673

3.00

映像通信

682

2.90

669

2.80

611

2.70

(2010.09)
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