「2010投資台湾サミット」 多国籍企業27社から千億元超の外資誘致
J100922Y8・J100921Y8 2010年10月号（J134）
ポストECFA（両岸経済協力枠組み協議）に対応して、台湾経済部は2010年9月21日に「投資台湾サミットー新時代、新商機」（2010 Taiwan Business Alliance Conference-New era New opportunities）を開催し、外国大手企業や在外台湾企業、産官学各界から600人を超す代表者が一堂に会した。会議では27社（アメリカ企業8社、日系企業6社、ヨーロッパ企業6社及び台湾企業3社のほか、オーストラリア、シンガポール、香港、中国から各1社）が経済部と投資意向書（レター・オブ・インテント）に調印し、そのうち14社が新規投資、13社が増資。総投資額は新台湾ドル1,082.5億元（約2,815億円）にのぼり、12,900人の雇用機会を創出する効果が見込まれている。
PC世界最大手のヒューレットパッカード（HP）は台湾における地域的研究開発拠点を世界的規模にグレードアップし、台湾の学術・研究機関とよりいっそう緊密な連携関係を構築し、台湾をHP社の世界における研究開発中心地に立ち上げる方針を示している。欧州の独立研究機関で世界的に名を知られたベルギーのナノテクノロジ・半導体の研究開発機構、IMEC（Interuniversity Microelectronics Center）も台湾と協力して医療機器技術開発や8インチウェーハの進化を行う考えであるという。アメリカのスーパーマイクロ社は台湾の潜在力を見込んで、アジア太平洋地域における事業運営センターや4000人規模のデータ保存設備・サーバー製造工場を設立するなど台湾におけるグリーンIT産業の発展に一役買う。金融サービス業においては、台湾に事務所を設けて4年が経ったスペインのBBVA銀行は台湾における事業拡大を決め、国際金融業務を行うオフショア銀行(Offshore Banking Unit、OBU)及びDBU（Domestic Banking Unit、台湾の中央銀行が指定した外国為替業務を行う銀行。台湾国内勘定直接金融取引ができる）を設立し、台湾企業のラテンアメリカ市場参入に資金調達などの金融サービスを提供する。このほか、重点発展産業の一つである文化創造産業においても、日本の角川書店がネットワークデジタルライフスタイル製品大手メーカーのBenQ（ベンキュー）と提携して、電子ブックとデジタルコンテンツの共同開発を行う計画である。
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「2010投資台灣サミット」 | |||
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地 域 |
会社数 |
投資金額 (億元) |
雇用機会 （仕事件数） |
| アメリカ |
8 |
722.0 |
5,260 |
| 日本 |
6 |
290.0 |
7,120 |
| ヨーロッパ |
6 |
26.5 |
50 |
| 台湾企業 |
3 |
28.0 |
70 |
| その他 |
4 |
16.0 |
400 |
| 総計 |
27 |
1,082.5 |
12,900 |
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「2010投資台灣サミット」 | |||
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産業別 |
会社数 |
投資金額（億元） |
雇用機会 （仕事件数） |
| オプト‐エレクトロニクス |
8 |
941.0 |
7,000 |
| クラウドコンピューティング |
4 |
69.2 |
5,260 |
| グリーンエネルギー |
2 |
23.5 |
50 |
| 電動自動車 |
2 |
9.3 |
-- |
| 金融業 |
2 |
6.0 |
-- |
| バイオテクノロジー |
2 |
4.8 |
-- |
| 半導体 |
3 |
3.7 |
400 |
| 化学工業、紡績業、 文化創造産業、機械業 |
4 |
25.0 |
190 |
| 総 計 |
27 |
1,082.5 |
12,900 |
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対台湾投資会社27社の投資計画 | |||
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産業別 |
会社名 |
投資内容 |
投資金額 |
| オプト‐エレクトロニクス | クアルコム | 携帯電話用チップ研究開発センター設置 |
-- |
| Applied Materials | フラットパネルディスプレー製造設備 |
-- | |
| キャノン | 台中サイエンスパークにおける拠点を拡大してデジカメとレンズを製造。物流センター設置 |
110.0 | |
| Brightek Optoelectronic Co.,Ltd. | 台湾上場、光電産業研究開発センター設置、先端製品製造(弘凱光電) |
3.0 | |
| TPK Holding Co.,Ltd. | 台湾上場、研究開発センター設置、タッチパネル製造(宸鴻光電科技) |
15.0 | |
| ガラス基板 | Corning Display Technologies | アジア太平洋地域研究開発センターを設置。パネルティスプレーやグリーンレーザープロジェクターの開発、グリーンレーザー工場設立 |
-- |
| 旭硝子 | 次世代ガラス基板への投資拡大 |
-- | |
| 日本電気硝子 | 液晶ディスプレー用薄型ガラス基板製造、中港サイエンスパークに進出 |
15~20 | |
| クラウド‐コンピューティング | HP | 世界初のハブ情報統合センター（Computing Hub）を設置して次世代コンピュータ及び周辺機器の研究開発を行う |
36.14 |
| スーパーマイクロコンピュータ | アジア太平洋運営センター設立、桃園八徳に4000人編成の工場を設置して保存設備及びサーバーを製造。 |
31.0 | |
| Web house | クラウドコンピューティング情報処理センター設立 |
3.17 | |
| AMD | APU技術開発（アクセラレーテッド・プロセッシング・ユニット） |
-- | |
| 電動自動車 | ECOtality Australia | 電動車充電設備の開発 |
-- |
| HALO Motor | 支社と電動車研究開発センターを設立 |
-- | |
| 金融 | Standard Chartered Bank | 国内金融機関への投資拡大 |
-- |
| Banco Bilbao Vizcaya Argentaria, S.A. | 台湾支店設立 |
6.0 | |
| バイオテク | Henlius Biopharmaceuticals | 5年以内に抗体新薬開発の製造工程センター設置 |
-- |
| GlaxoSmithKline | 医薬品の研究開発と臨床試験実施への増資 |
-- | |
| 半導体 | SUMIKO Electronics Taiwan | 半導体実装材料COF（Chip on Film）の増産 |
3.2 |
| ASML | 同社のアジア太平洋地域における唯一のサブミクロンレベルの露光装置の開発・製造センターを設置 |
11.0 | |
| その他 | 角川書店 | デジタルコンテンツ制作センターを設立、BENQと電子書籍を共同開発 |
3.0 |
| 日華化学工業 | 台界面活性剤の増産及び新製品の生産ラインの増設 |
-- | |
| ベルギーIMEC | 半導体技術の革新・応用センター設立、バイオ医療事業及びグリーンエネルギー向けの電子装置の研究開発 |
1.5 | |
| Web-Pro | 在外台湾企業が不織布生産工場を設立 |
10.0 | |
| Beijing Holdings Limited | 卸・小売り業(京泰実業集団有限公司) |
5.5 | |
| Evonik Degussa | グリーンエネルギー及びバックライト導光板モジュールの研究開発 |
-- | |
| 機械 | Tatung-Okuma | 工作機械（NC旋盤）製造の新工場設立 |
10.0 |
| 注：米クアルコム、日系企業の旭硝子は投資金額を公表しなかったが、百億元超とみられる。 | |||
