世界経済フォーラムの2010年世界競争力ランキング 台湾は世界13位
J100910Z8・J100909Z8 2010年10月号(J134)
世界経済フォーラム(WEF)がこのほど、発表した2010年の世界競争力ランキングでは、台湾は13位にランクされ、五つの指標で139か国のうち1位と認定され、歴年の記録を更新したものの、「雇用の弾力性不足」、「解雇コスト」、「資本流動規制」においては百位以外に転落している。
台湾の格付けが前の年より一つ下落したのは、労働市場の効率性が要因の一つとみられている。金融市場の成熟度、経済構造や環境に対する評価(35位)もそれほど高くない。しかしながら、台湾はマンパワー、医療、高等教育、イノベーション能力などにおいては、非常に高く評価されている。
アジアのほかの国々を見てみると、シンガポールは政府の高効率と清廉度で世界3位をキープ、韓国は22位、中国は25位から27位に上昇した。2008年以前に、台湾の競争相手の韓国は最高位で13位とランクされた時期(当時、台湾は17位)もあったが、2009年になって台湾は一変して韓国(19位)を抜いて12位へ。2010年は台湾は13位、22位の韓国を突き放した格好である。
WEF 2010世界競争力ランキングにおける台湾の優位・劣位 | ||
項 目 |
順 位 | |
優 位 | 百万人あたりの特許取得数 |
1 |
現地市場の競争度 |
1 | |
電話回線数 |
1 | |
マラリア発生率 |
1 | |
マラリアの企業に対する影響 |
1 | |
金融サービス業の費用の安さ |
2 | |
産業集積(クラスター)の深化 |
3 | |
国内株式市場での資金調達の難易度 |
4 | |
市場の寡占化の程度 |
4 | |
現地のサプライヤーの数 |
4 | |
バイヤーの多様化 |
5 | |
高等教育機関の合格率 |
5 | |
劣 位 | 雇用の弾力性不足 |
114 |
解雇のコスト |
114 | |
資金流動性規制 |
101 | |
企業経営を始める前の三つの障壁:政策安定性、政府の効率性、労働法的規制(注:WEFによる台湾企業に対する調査) |
WEF 2010年世界競争力上位15位 | |||||||
順位 |
順位変動 |
順位 |
順位変動 | ||||
2010年 | 2009年 | 2010年 | 2009年 | ||||
スイス |
1 |
1 |
変化なし |
デンマーク |
9 |
5 |
↓4 |
スウェーデン |
2 |
4 |
↑2 |
カナダ |
10 |
9 |
↓1 |
シンガポール |
3 |
3 |
変化なし |
香港 |
11 |
11 |
変化なし |
米国 |
4 |
2 |
↓2 |
イギリス |
12 |
13 |
↑1 |
ドイツ |
5 |
7 |
↑2 |
台湾 |
13 |
12 |
↓1 |
日本 |
6 |
8 |
↑2 |
ノルウェー |
14 |
14 |
変化なし |
フィンランド |
7 |
6 |
↓1 |
フランス |
15 |
16 |
↑1 |
オランダ |
8 |
10 |
↑2 |
||||
注:WEFは世界経済フォーラム。 2010年は139か国を対象に調査を実施。2009年は133か国が調査を受けた。 |