特許出願への拒絶査定 「如何なる調査もせずにした処分は不適法」 裁判番号:知的財産裁判所98年度行専訴字第121号

J100730Y1 2010年10月号(J134)

 「原相科技(Pixart Imaging Inc.)」は知的財産局に対し「ナビゲーターチップ」に関する発明に係る特許出願をしたところ、知的財産局がその出願について如何なる調査もせずに特許を付与しない拒絶査定をしたのは不適法として、知的財産裁判所は知的財産局にその出願に特許査定をすべき判断を示した。

 判決では、知的財産局は本件特許出願における独立項も付属項も進歩性がないことを証明することができない。原告会社の新発明のうち三項目は先行技術を利用したのはナビゲーターチップに関する特許を実施するのに必要なステップである。特許請求範囲を明確に記載しなければならないという特許法の規定に違反していないし、その他調査すべき証拠がなく、特許を付与しない事由に該当することもない。本件出願を特許査定すべきであると知的財産局に命じた。

 原告会社は2003年12月に「ナビゲーターチップ」について知的財産局に特許出願をした。2005年2月、知的財産局は出願を却下し、これを受けて「原相科技」は再審査を請求した。2007年5月、前回の拒絶査定を維持した知的財産局に対し、「原相科技」は本件特許明細書の訂正本を提出して再び再審査を請求した。2008年7月、知的財産局は依然として特許を付与しない処分をした。「原相科技」は同処分を不服として訴願手続きを行ったが、2009年9月、経済部訴願審議委員会から棄却の決定が下った。

 「原相科技」は知的財産局に対する本件特許出願に続いて、アメリカの特許商標局にも同じ発明に関する特許出願をした。2007年7月に米特許、翌年11月に中国特許を取得した。特許は属地主義をとっているが、本件発明が米中の審査をクリアして特許を取得できたことから、確実に進歩性があると考えられる。にもかかわらず、知的財産局は「原相科技」への拒絶理由書にはなぜ拒絶査定をしたかについての理由を具体的に説明していない。

本件特許出願がなされた時期

特許名称

同一の発明について
外国特許を取得した時期

知的財産局を敗訴とした理由

2003年12月 映像ナビゲーターチップ 米国:2007年07月 特許取得
中国:2008年11月 特許取得
台湾:2009年09月 拒絶査定
▶如何なる調査行為も行わなかった
▶進歩性がないことを証明できない
▶面接もしなかった

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