住友電工 台湾にソーワイヤーメーカーを設立

J101112X8 2010年12月号(J136)

 日本の住友電気工業株式会社(以下、「住友電工」)は2010年11月11日、台湾の太陽電池産業クラスタ効果を見込んで20億円を投じ桃園に太陽電池用ソーワイヤー(シリコンインゴット等の切断に用いられる)を製造する新会社を設立すると発表した。新会社が設立されれば、台湾で唯一のソーワイヤーメーカーとなり、達能科技(Danen Technology Corporation)、緑能科技(Green Energy Technology Inc.)、茂迪(Motech Industries, Inc.)等の台湾太陽電池大手に現地で供給できるようになり、台湾市場での販売規模とシェアを拡大できるものとみられる。
 経済部はここ数年、日本の野村総合研究所とともに「ジャパンデスク」プロジェクトを推進し、日本からの対台湾投資を誘致してきた。今年両岸(台湾と中国)は海峡両岸経済協力枠組協定(ECFA)を締結しており、台湾の営利事業所得税(法人税)が17%に引き下げられ、さらには両岸による知的財産権保障協議が締結されたため、日本企業側の対台湾投資意欲が高まっている。
 今年1~9月に「ジャパンデスク」を通じて台湾に新規投資、追加投資を行った日本企業には、丸紅、ファナック(Fanuc)、ユニクロ、ハウス食品等が含まれる。行政院全球招商聯合服務中心(InvesTaiwan Service Center)の10月末現在統計によると、今年外国人による対台湾投資案件は46件、金額は600億新台湾ドル余りに達し、そのうち日本企業は13件を占め、最高の比率を占めた。
 経済部関係者によると、今年日本企業による対台湾投資は例年よりも多く、半導体、オプトエレクトロニクス、グリーンエネルギー、クリエイティブ、小売等の領域にわたり、各種様態がみられ、台湾産業チェーンの充実に大きく貢献している。今年日立、東京エレクトロン株式会社(半導体製造設備)、エルピーダメモリ株式会社なども台湾での研究開発センター設置を申請している。
 経済部はすでに日立と東京エレクトロンの研究開発センター設立を許可している。エルピーダメモリによる投資額1億米ドルの研究開発センター設立計画は一次審査を通過しており、来年初めには許可される見通し。情報筋によると、エルピーダメモリは研究開発センター設立と同時に、瑞晶電子(Rexchip Electronics Corp)に対する投資を拡大する計画があり、その投資額は期待するに値する。(2010.11)

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