「婦潔」商標の争議 婦潔が敗訴

J101108Y2 2010年12月号(J136)
台湾で知名度が高い女性専用ボディーソープ「婦潔」を生産する婦潔薬品有限公司(Vigill Pharm Co.,Ltd、以下「婦潔公司」)は、賽吉兒股份有限公司(Saugella、以下「賽吉兒公司」)が販売する「菁萃婦潔凝露」が商標権侵害にあたるとして知的財産裁判所に35万新台湾ドルの賠償金支払いと使用差し止めを請求していた。しかし同裁判所は、賽吉兒の製品には「婦潔」の2文字が含まれているが、商標は「賽吉兒」であり「婦潔」ではないため、婦潔公司に敗訴を言い渡した。[知的裁判所民事判決-99民商上2]
 婦潔公司側の主張によると、同社は二十数年前から「婦潔液」を販売しており、国内では知名度が高い商標となっているが、大統貿易股份有限公司(Great Union Trading Co.,Ltd.、以下「大統貿易」)は賽吉兒公司が代理販売する「菁萃婦潔凝露」を輸入し、製品に「婦潔」の2文字を使用しているため、消費者を混同させるおそれがある。
 一方、大統貿易と賽吉兒公司は、製品に「婦潔」の2文字が含まれているが、元来の製品名が「菁萃婦女潔浴凝露」で長すぎたため、省略して「婦潔凝露」とした経緯があり、商品の宣伝においては商標「賽吉兒」を使用していると反論した。
 裁判所は賽吉兒公司が広告や記者会見において販促関連商品はいずれも「婦潔」の文字が突出しておらず、「賽吉兒」の商標で対外的な宣伝を行っており、賽吉兒の商品の包装においても「婦潔」の2文字が突出していないため、商品名称が婦潔公司と混同を生じさせるおそれがあると認定することは難しいとの判決を下した。(2010.11)
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