英国のWOLSEY、本家を名乗り出るのが遅すぎた

J101122Y2 2010年12月号(J136)
英国の著名な服飾ブランド「WOLSEY」が2つ出現!英国のWOLSEYは台湾の華益皮件有限公司(以下「華益皮件」)の英語商標が「WOLSEY」であるため、行政訴訟を提起し、商標の登録取消を請求していた。[知的財産裁判所行政判決99行商訴115]
 英国のWOLSEYは1755年に創業され、1897年にWOLSEYの商標で服飾ブランドを立ち上げた。ゴルフウエアを販売し、1935年と1959年の二度にわたって英国王室御用達の委任状を獲得し、英国王室御用達のニット製品サプライヤとなった。
 一方、華益皮件は台湾企業で、他人が登録した「德全瓊玉與WOLSEY」商標を引き継ぎ、ベルトのバックル、ボタン、ファスナーに商標を使用している。
 2007年英国WOLSEYの台湾代理店である台湾中瑞国際企業股份有限公司(以下「中瑞公司」)は華益皮件の商標が代理販売する服飾の商標と同じであり、華益は他商標の知名度を利用しようとした疑いがあるとして経済部知的財産局に対して無効審判を請求したが、棄却された。
 中瑞公司は知的財産裁判所に行政訴訟を提起し、同社の商標は英国において長い歴史を持ち、英国王室御用達の服飾メーカーで世界20カ国に販売拠点を持っており、華益皮件の商標が使用されるベルトのバックル、ボタン及び服飾関連のアクセサリーであるため、消費者に混同を生じさせるおそれがあると主張した。
 それに対して華益皮件は、同社の商標は、中国語部分が責任者夫妻の氏名を組み合わせたもので、英語部分のWOLSEYもその他の英単語と組み合わせたものであるため、WOLSEY商標の知名度を利用しようとしたものではないと反論した。
 知的財産裁判所は審理の結果、英国企業の代理店である中瑞公司は商標法で定められた期限内に異議申立を行わず、台湾消費者が熟知した有名商標であることも証明できないため、英国企業に敗訴を言い渡した。(2010.11)
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