商標はいずれも「007」、米国企業が檳榔(ビンロウ)業者に勝訴

J101206Y2 2011年1月号(J137)
「007」の商標を登録している米国企業、ダンジャック・エル・エル・シー(Danjaq, LLC、以下「ダンジャック」)が、台湾の檳榔(ビンロウ、これは噛みタバコのような嗜好品として使用される植物の種子)業者が「007阿松」という商標を使用していることをみつけ、知的財産裁判所に対して商標の取消を求めて提訴したところ勝訴した(知的財産裁判所行政判決-99行商訴113)。
 ダンジャック側の主張によると、台湾の檳榔業者である品天下実業公司(以下「品天下」)は「007阿松」商標を腕時計等の商品区分での使用で登録し、当該商標は手でピストルの形状をかたどった図形であり、ダンジャックの商標に類似しているため、消費者に同シリーズの商品であると誤認を生じさせるおそれがある。さらに「007阿松」商標の腕時計はすでに3年間市場で販売されておらず、商標法に基づいて商標権を取り消すべきである。
 一方、品天下側の主張によると、ダンジャックの「007」シリーズ商標商品は大部分が海外で使用されており、国内では幅広く販売されていない。また、消費者の印象にあるのは「007」の映画であって、商標ではない。品天下が「007阿松」を商標とした腕時計は檳榔の販売店(スタンド)に置かれ、消費者が檳榔材料商品を購入した時の景品であり、販促機能をそなえている。購入者に贈るものなので、同商標の商品を市場で販売し、使用してきたとみなすべきである。
 裁判官は、品天下の「007阿松」商標とダンジャックの「007」は類似しており、品天下は「007阿松」腕時計の販売記録に関する証拠書類を提出しておらず、又これは販促景品に属するため、品天下が「007阿松」商標を3年間使用していないとみなし、商標法に基づいて当該企業「007阿松」の商標権を取り消すとの判決を下した。(2010.12)
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