VICTORIA'S SECRETのサブブランド、犬の図形商標が敗訴

J101207Y2 2011年1月号(J137)
米国の大手下着ブランド「VICTORIA’S SECRET」を管理するVICTORIA’S SECRET STORES BRAND MANAGEMENT,INC.(以下、「VICTORIA’S SECRET」)は台湾で「dog design」の図案を少女向け服飾サブブランドに使用する商標として登録するため出願したが拒絶査定を受けたため、同社はこれを不服として知的財産裁判所に訴訟を提起していた。裁判所は、当該商標は日本の株式会社ニューイングランドが登録している商標に極めて類似しているとして米国企業に敗訴を言い渡した(知的財産裁判所行政判決-99行商訴100)。
 裁判官によると、米VICTORIA’S SECRETは日本の犬の商標がラブラドール・レトリーバーであるのに対して自社の商標はゴールデン・レトリバーの子犬であるため異なると主張しているものの、両者の商標はほとんど区別できない高類似度の商標に属する。
 1977年に設立された「VICTORIA’S SECRET」は世界的に有名な女性下着のブランドであり、有名モデルをCMに起用しており、タイラ・バンクス、ハイディ・クルム、ジゼル・ブンチェンなどもCMに出演している。
 VICTORIA’S SECRETは2008年台湾の知的財産局に対して「dog design」商標を傘下の少女向け衣料ブランド「PINK」の下着や服飾に使用するため登録を出願したが、同局が審査した結果、日本のアパレルメーカーである株式会社ニューイングランドが2004年に代理店を通じて登録した商標に極めて類似していることが分かった。
 「VICTORIA’S SECRET」商標登録出願案件は2009年9月知的財産局から拒絶査定を受け、さらに訴願も棄却されたため、知的財産裁判所に行政訴訟を提起していた。VICTORIA’S SECRET側は、同社の「dog design」商標は日本企業と同様に「顔が左向きで、尾が上を向いている」が、同社の犬は子犬であり、さらに日本企業の商標の中間部分には白抜きで英文が表示されているため両者は全く異なると主張していた。
 またVICTORIA’S SECRET側の主張によると、同社の商標はすでにEUやその他十数ヵ国で商標を登録している。一方、日本の商標は台湾で商標を登録し、かつ台湾で商標を使用しておらず、サイトで日本の消費者にサービスを提供しているにすぎない。両商標を比較すると、VICTORIA’S SECRETの方が台湾における知名度が高いと主張した。
 しかしながら裁判官は、VICTORIA’S SECRETの販売データには証明できる文書がなく、ネット上で同商標に関する書き込みも極め少なく、当該商標がすでに大量に使用され台湾消費者に広く知悉されていると認定することは難しいため、両商標は消費者に混同を生じさせるおそれがあると判断し、VICTORIA’S SECRETに敗訴を言い渡した。(2010.12)
TIPLO ECARD Fireshot Video TIPLO Brochure_Japanese TIPLO News Channel TIPLO TOUR 7th FIoor TIPLO TOUR 15th FIoor