「大愛無線」、商標係争で「慈済」に敗訴

J101211Y2 2011年1月号(J137)
無線タクシーに使用されている「大愛無線」商標は高い知名度を持つ「慈済大愛」には敵わなかった。知的財産局は両者が消費者に混同を生じさせるおそれがあるとして、「大愛無線」商標登録を取り消した。「大愛無線」商標権を所有する曾○○はこれを不服として行政訴訟を提起していたが、敗訴が確定した(知的財産裁判所行政判決-98行商訴132)。
 知的財産裁判所は審理の結果、「大愛無線」に敗訴を言い渡した。判決理由として以下の3項目をあげている。第一に、消費者が無線タクシーを使用する際に「大愛」と呼び、その商標図形は軽視されている。主な識別はいずれも「大愛」の二文字に集中しているため、「大愛無線」は「大愛」及び「慈済大愛」と極めて類似度が高い商標だといえる。
 第二に、世界38ヵ国に支部又は連絡事務所があり、社会福祉に力を入れている。またテレビ局「大愛電視台」の制作する番組は世界23カ国で放映されており、「慈済大愛」と「大愛」の商標登録が出願された時点で、すでに著名な商標だった。
 第三に、「大愛無線」は無線タクシーサービスを専門に提供していると主張しているが、裁判所は「大愛無線」のサービス提供エリアが大台北地区だけであるため知名度は高くないと判断している。同裁判所は、「大愛無線」のタクシーは車体上部に「大愛」のランプを設置したり、車体に「大愛」の二文字を表示したりしているため、消費者の視線を集め、消費者に「大愛」タクシーと慈済基金会との間に賛助、従属、連携又は提携の関係があると容易に連想させてしまい「誤認混同のおそれ」があると判断し、敗訴を言い渡した。曾○○はこれを不服として最高行政裁判所に上訴したが、やはり敗訴した。(2010.12)
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