調理器具の外観類似に関する係争、台湾版が敗訴

J101218Y4 2011年1月号(J137)
米国Vita-Mix Corporation(以下「Vita-Mix」)は台湾の臣品企業有限公司(Chen Pin Business Co., Ltd.、以下「巨品」)が製造販売する調理器具がVita-Mixの調理器具に外観が極めて類似しているため、臣品が公正取引法に違反しているとして告訴していた。知的財産裁判所はVita-Mixに勝訴を言い渡したが、本件はさらに上訴することができる(知的財産裁判所民事判決-99民公訴3)。
 栄養調理器メーカーの米Vita-Mixは知的財産局に対して以下のように主張した。同社は80年以上の歴史を持ち、米国で商標を登録して保護を受けている。同社が製造するブレンダー「Vita-Mix Total Nutrition Center (TNC)」は十数年前に台湾市場へ参入し、著名なアナウンサーである陳月卿や立法委員の高金素梅等をCMに起用しており、長い間にわたってテレビショッピングや各大手メディアで広告を打ち、市場で高い知名度を獲得している。
 しかしながら臣品が販売しているブレンダー「SUPER MUM BL-1200」とVita-Mixのブレンダーとはボトル部分、本体部分、操作制御パネル、スイッチ及び速度調整つまみの位置がいずれも同じで外観が極めて類似している。明らかに臣品の商品には消費者に両者の調理器具が同じ品質と効能を持っていると連想させようとする意図があったとみられ、公正取引法に違反している。
 一方、臣品側の主張によると、当該調理器具は自社で研究開発したものであり、すでに台湾、日本、中国で特許を取得している。2009年は台北国際発明展において銀賞を獲得しており、2009年上半期には某テレビショッピングチャンネルの商品売上ランキングで7位に入っており、すでに市場で高い知名度があることがうかがえる。さらに商品の外観、内部設計はVita-Mixの商品とは全く異なり、商標も異なるため、決して模倣ではなく、消費者に混同を生じさせるおそれもない。
 しかしながら裁判官は、2種類の調理器具は確かに類似度が高く、且つ市場調査会社が調査したところ、8割の消費者が2種類の調理器具が異なるメーカーによって製造されたと識別することができなかったため、公正取引法に基づき臣品に敗訴を言い渡し、この調理器具の生産、販売、陳列並びに広告を禁止した。(2010.12)
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