台湾、技術革新力指標で好成績

J110109Y8 2011年2月号(J138)
行政院経済建設委員会によると、知識経済時代において技術革新力(イノベーション能力)は国家の生産力向上と経済成長の重要なファクターであり、国家競争力を示す指標とみなされている。経済協力開発機構(OECD)が2010年12月に発表した「科学・技術・産業アウトルック2010(OECD Science, Technology, and Industry Outlook 2010)」によると、OECD加盟国と新興経済体は今後、技術革新領域への投資と関連政策の推進を継続し、経済成長を後押しする。世界の主要経済体が技術革新へ投資している状況に対応して、台湾も技術革新への投資を強化して競争における優位性を確保する必要がある。
 さらに同委員会によると、欧州ビジネス・スクール(EBS)と世界経済フォーラム(WEF)が近年発表した報告書によると、台湾は技術革新力指標と特許件数の指標で好成績を収めている。
 EBSが2010年11月に発表した「The Innovation for Development Report 2010-2011」(表1を参照)によると、台湾の「イノベーション能力指数(Innovation capacity index;ICI)」は 調査対象である131ヵ国の中で9位となり、前年から4ランク順位を上げ、初めてトップ10ヵ国入りした。
 WEFが2010年9月に発表した「2010-2011年国際競争力レポート(Global Competitiveness Report 2010-2011)」によると、台湾は「技術革新と成熟度」に関して7位となり、前年から1ランクアップした。その中で台湾の「人口100万人あたりの有効特許件数」指標は287.1ポイントという高得点を獲得し、3年連続で世界一となった。ポイントは今後も上昇する傾向にあり、台湾が最も高い競争力をそなえる指標となっている(表2を参照)。
 近年,台湾当局は技術革新の環境改善を継続し、技術革新力を強化し続けている。2010年5月に可決された「産業イノベーション条例」でより良い技術革新環境を整備しているほか、2010年9月に可決された「発明特許産業化推進プラン」で政府の個別支援計画のリソースを統合し、新たな商品や産業に技術革新の力をもたらしていく。今後は世界各国との技術革新競争に直面し、台湾も技術革新・研究開発の力を強化し続けて国家経済発展の原動力とし、ポスト金融危機時代における国家競争の優位性を維持し続ける必要がある。(2011.01)

表1 EBSのイノベーション能力指標(ICI)ランキング

2010-2011年

2009-2010年

スウェーデン

1

1

スイス

2

4

シンガポール

3

6

フィンランド

4

2

米国

5

3

デンマーク

6

11

カナダ

7

7

オランダ

8

5

台湾

9

13

ルクセンブルグ

10

11

資料出所:EBS「The Innovation for Development Report」

表2 WEF「人口100万人あたりの有効特許件数」指標の競争力評価

2010-2011年

2009-2010年

2008-2009年

世界順位 評価点数 世界順位 評価点数 世界順位 評価点数
台湾 1 287.1 1 279.3 1 270.4
日本 2 279.1 2 263.3 3 260.0
米国 3 261.7 3 250.9 2 261.7
イスラエル 4 195.0 4 166.6 5 158.1
韓国 5 181.4 5 156.0 7 130.9
フィンランド 6 163.0 6 155.5 4 160.4
スイス 7 158.9 7 148.3 6 141.8
スウェーデン 8 110.2 8 115.2 8 116.6
ドイツ 9 109.5 9 108.1 9 109.4
カナダ 10 108.8 10 102.2 10 100.9
資料出所:WEF「国際競争力レポート(Global Competitiveness Report)」

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