商標類似の係争、味全が味香全に敗訴

J110221Y2 2011年3月号(J139)
苦茶油(訳注:椿の種を圧搾して作られた油)を生産する荘巖食品有限公司(以下、「荘巖食品」)は約3年前に苦茶油等食用油の商品に使用する「味香全」商標の登録出願を行い許可されたが、味全公司(Wei ChuanCorp.、以下「味全」)は同社の商標と類似しているとして知的財産局に登録異議申立を行った。その後不成立(維持決定)となったため行政訴訟を提起していたが、今回も敗訴の判決が下された。【最高行政法院判決100判170-1000217】
 知的財産裁判所によると、「味香全」商標は文字部分が中国語の横書きであり、図案部分については地がオレンジ色で白い楕円形の中に1滴の水滴がデザインされているのに対して、味全が提出した商標は「味全」の2文字又は5個の円形で構成されている。知的財産裁判所は、両商標の外観、呼称、観念を全体的に観察すると消費者は区別することができると判断していた。最高行政裁判所もこの見解を支持した。
 味全によると、同社は長い歴史を持つ食品メーカーであり、味全の2文字は消費者にとって良質、健康、成功した企業の代名詞となっている。「味香全」の商標は苦茶油、ごま油等の油製品における使用を指定しており、味全も登録している一部の商標を各種食用油に使用している。
 さらに味全によると、食用油は日用食品で単価が安く、消費者は「味香全」が味全の関連企業、または味全と加盟または授権の関係にあると誤認しやすい。荘巖食品は明らかに味全が著名商標であると知りながら、故意に「味香全」の商標出願を行ったことは、公正競争と取引の秩序を乱すものである。
 裁判所は審理の結果、味全の主張は「味香全」から「味」と「全」の2文字を単独に抜き出したものであり、これは一般消費者の取引経験や商標判断において商標全体を観察するという原則とは異なると判断し、味全に敗訴を言い渡した。(2011.02)
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