「無塵氏」と「駆塵氏」の商標争い、両者の並存は可能

　クロス（ぞうきん）やモップなど清掃・衛生用品に使用されている「無塵氏」商標と「花仙子駆塵氏」商標との争いは、最高行政裁判所から両者は市場で並存できるという判決を下された。【最高行政裁判所判決-100判298-20110310】
　花仙子企業股份有限公司（Farcent Enterprise Co., Ltd.、以下「花仙子」）は1997年にモップなどの商品で使用する「花仙子駆塵氏」商標の登録を出願して許可を得た。一方、紳宇実業有限公司（OIMO Industrial Co., Ltd、以下「紳宇」）は2004年にぞうきんなどの清掃・衛生用品で使用する「無塵氏」商標の登録を出願した。
　2007年2月、花仙子は知的財産局に対して無効審判を請求し、紳宇の「無塵氏」が「花仙子駆塵氏」と類似しており、指定商品も類似度が極めて高いため、「無塵氏」商標の取消を請求した。知的財産局は「無塵氏」商標登録の取消処分を決定した。
　紳宇はこれを不服として行政訴訟を提起し、「花仙子駆塵氏」は花の妖精が埃を取り除くという意味であるのに対して、「無塵」は清潔という意味であり、両者は全く異なると主張した。知的財産裁判所は審理の結果、知的財産局の処分を取り消した。花仙子もこれを不服として、最高行政裁判所に上訴していたが、上告棄却のため判決は確定となった。(2011.03)