写真の合理的使用はニュースに限る
J110329X3 2011年4月号(J140)
ケーブルテレビ局の東森電視(Eastern Broadcasting Company)は2009年7月に同社の番組「台湾啓示録」を放映した際に、カメラマンの潘○○が撮影した写真2枚の出所を明記せずに使用したため、潘○○から賠償請求の訴訟を提起されていた。【知的財産裁判所民事判決-99民著訴85-20110317】
東森電視側の主張によると、同番組を制作した際に「戦争與和平紀念館」で潘○○の作品を撮影した。その後同館が提供した光ディスクの画質の方が良かったため光ディスク内の一部を切り取り番組内で放映したのであり、これは合理的な使用範囲に属する。
しかしながら知的財産裁判所は審理の結果、同番組は特集に属し、一般的な時事報道とは異なるため、報道のための合理的な使用とはみなすことできず、放映時に出所と撮影者が明記されていない場合は侵害行為にあたるとの判断を示し、東森電視に対して潘○○への賠償金15万新台湾ドル支払いを命じる判決を下した。(2011.03)