台湾ビールの「上蓋青、上蓋順」商標、登録に失敗

J110424X2 2011年5月号(J141)

 台湾菸酒股份有限公司(Taiwan Tobacco & Liquor Corporation、以下「台湾菸酒」)は「上蓋青、上蓋順」(訳注:台湾語で「最も新鮮、最も飲み口がよい」の意)を台啤(台湾ビール)の商標の1つとして登録しようとしたが許可されなかったため、知的財産裁判所に行政訴訟を提起していた。裁判官によると、「上蓋青、上蓋順」だけだと台湾ビールを最も新鮮で飲み口がよいと描写する広告文句にすぎず、識別性を具えないため、台湾菸酒に敗訴を言い渡した。同案件はさらに上訴できる。【知的財産裁判所行政判決-99行商訴209-1000414】
 台湾菸酒側の主張によると、「上蓋青、上蓋順」商標は同社の独創で、台湾の郷土らしさを具えている。同社は1999年から生産しているビールを「上青」の特色で位置づけ、地元で生産されるビールは輸入ビールより新鮮であることを標榜してきた。台湾語の「有青」が一番ピッタリ当てはまる言葉だと考えている。
 同社は「有青才敢大声」(訳注:台湾語で「新鮮だからこそ自慢できる」の意)、「台湾啤酒、上青」(訳注:台湾語で「台湾ビールは最も新鮮」の意)など数多くの有名な宣伝文句を生み出してきた。「上蓋青、上蓋順」は歌手の伍佰がイメージキャラクターとなりテレビや紙面で広告した後、幅広く知られ、極めて独創性の高い商標となった。(当該商標は)消費者は一目見ただけで識別できる効果を持ち、消費者に選択と購買を喚起しやすく、通常の広告文句とは異なるとして、裁判所に対して「上蓋青、上蓋順」商標の登録を請求していた。
 裁判官によると、台湾菸酒はイメージキャラクターとして歌手の伍佰を起用してテレビ及び紙面で大量の広告を打ち、「上蓋青、上蓋順」は独創性と識別性を具える商標となっているが、実際のところ「上蓋青、上蓋順」はビールが最も新鮮で飲み口が良いことを形容する広告文句でしかなく、消費者はこの商標が台湾ビールと認識するのに十分ではなく、商標は識別性を具えないと判断して、台湾菸酒の訴えを棄却した。(2011.04)

TIPLO ECARD Fireshot Video TIPLO Brochure_Japanese TIPLO News Channel TIPLO TOUR 7th FIoor TIPLO TOUR 15th FIoor