価格カルテル、セメント19社に1.86億新台湾ドルの罰金判決
J110501X4 2011年6月号(J142)
台湾水泥(Taiwan Cement Corporation)を始めとする台湾セメントメーカー19社が価格カルテルを通じてセメント価格を吊り上げたとして、行政院公平交易会(公取委に相当、以下「公平会」)から1社あたり500万~1800万新台湾ドルの課徴金納付を命じられた。業者らはこれを不服として行政訴訟を提起したが、最高行政裁判所は19社が価格カルテルを行い、国内セメント市場の需給に影響を与えたと判断し、各社に敗訴を言い渡した。罰金総額は1.86億新台湾ドルに達し、セメント業界において罰金の最高記録を更新した。
公平会によると、セメントメーカーらは契約、会合等の方式で、競合関係にある業者と出荷量の制限や注文期限の短縮等について申し合わせ、セメント供給量を調整し、セメント値上がりを操作した結果、2001年の1300新台湾ドル/トンから2004年の2150~2250新台湾ドル/トンへと大幅に値上がりした。このためその事業の規模、不正所得利益、回数等に基づき19社に対して1社あたり500万~1800万新台湾ドルの課徴金納付を命じた。
セメント業界関係者によると、セメント価格の変動は市場システムが正常に機能した結果であり、価格カルテルを通じて取引対象を制限し、セメント市場を操作したりセメント価格を吊り上げたりした事実はないという。
一方最高行政裁判所は、セメント製造、貯蔵、販売の業者がフィリピン等の海外セメント大手と互いの国に輸出しないことで協定を結び、自国から輸入セメントを締め出し、セメント価格を吊り上げる目的を達成したとして、公平会の処罰決定には根拠があるという判決を下した。(2011.05)