ソックス商標戦、「三花」が「三樹」を訴えて敗訴

J110609X2 2011年7月号(J143)

 「三花棉襪(三花コットンソックス)」で有名な元亨股份有限公司(英語名Auan Hang Co., Ltd.、以下「元亨公司」)は彰化の陳○○が登録した「三樹」商標が「三花」と極めて類似しているとして、知的財産裁判所に登録取消を請求していた。裁判所は審理の結果、陳○○はソックスに「St」商標の2文字のみを刺繍しているが、商品全体に「三樹」等の文字があるため混同を生じさせるおそれはないとして、元亨に敗訴を言い渡した。【知的財産裁判所行政判決-99行商訴215-20110504】
 「三花」が聞いたことのない「三樹」に変わってしまった。元亨公司は市場で陳○○の「三樹」コットンソックスを見つけた。ソックスには「St」商標の商標だけが刺繍され、商標全体を刺繍していないため、知的財産局に「三樹」商標の登録取消審判を請求したが棄却された。
 元亨公司はその後知的財産裁判所に訴訟を提起し、陳○○の「三樹」商標は中国語の「三樹」2文字とアルファベットの「San Tree」及び「St」で構成された組合せ商標であるが、陳○○はソックスに「St」しか刺繍していないため、消費者に「三花」(Sun Flower)の「Sf」商標と混同させるおそれがあると主張していた。
 また元亨は「三花」商標の登録日の方が陳○○より早く、かつすでに著名な商標となっており、さらには陳○○に商標を自ら変更したという著作権法違反があったとして、知的財産裁判所に対して陳○○の「三樹」商標登録取消を請求した。
 一方、経済部知的財産局は、両商標の「S」の設計はほぼ同一であるが、「三花」は「f」、「三樹」は「t」であり、両者を識別することは可能であると主張した。
 知的財産裁判所は販売されている「三樹」コットンソックスの包装に基づき、ソックスには「St」図案しかないが、包装とタグにはいずれも「三樹」の文字又は「San Tree」の文字があり、一般消費者がソックスを購入する場合はまずタグをみるため、混同を生じさせるおそれはないと判断し、最終的に元亨公司に対して敗訴を言い渡した。(2011.06)

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