ジェネリック医薬品訴訟、東洋がアベンティスに勝利

J110815X1 2011年9月号(J145)

 台湾東洋薬品工業股份有限公司(TTY Biopharm、以下「東洋薬品」)は台北地方裁判所が仏アベンティス・ファーマ (英語名:Aventis Pharma S.A.、中国語名:法商安萬特医薬公司、以下「アベンティス」)による請求と仮処分の請求を棄却し、これは東洋薬品が「汰杉注射剤」訴訟で大きな勝利を獲得したことを示すものだと発表した。【台北地方裁判所民事判決-97智38-20110805】
 東洋薬品によると、アベンティスは2年前に東洋薬品の抗がん剤「汰杉注射剤」(俗称「欧州紫杉醇(docetaxel)針剤」、商品英語名「Tyxan Injection」)が権利を侵害しているとして訴訟を提起し、損害賠償を請求していた。知的財産裁判所がアベンティスの請求を棄却したのに続いて、台北地方裁判所も8月5日に東洋の勝訴判決を下した。
 さらに東洋薬品によると、海外の製薬大手が特許侵害を理由にジェネリック医薬品の発売を阻止しようとするのはよくあることで、東洋薬品の「汰杉注射剤」もこのため国内市場を開拓できず、docetaxelに関して欧州初のジェネリック医薬品許可証を取得したにもかかわらず欧州市場に輸出できなかった。トラブルを回避するため、東洋薬品は当初この薬を設計する際にドイツの製薬会社から原料薬を調達し、新剤型で設計していた。今回の勝訴は「汰杉注射剤」の市場開拓に役立つものと期待される。(2011.08)

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