9月に大型製薬会社の設立提携を契約 グリコネックスと三菱ガス化学がタンパク質性医薬品市場を共同開発

J110808X5 2011年9月号(J145)

 新薬開発会社の台湾醣聯生技医薬公司(GlycoNex Inc.、以下「グリコネックス」)によると,日本の三菱ガス化学株式会社(Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc.)はグリコネックスに投資することになった。双方は9月末に提携覚書(MOU)を締結し、大型タンパク質性医薬品メーカーを立ち上げる計画。これは台湾のバイオメーカーの技術水準が日本大手に認められ、外資を誘致できることを示すものである。
 グリコネックスは台湾でも数少ないタンパク質性新薬を開発しているバイオメーカー。同社は3年前に大塚製薬と提携して、抗がん新薬の使用許可を大塚製薬に許諾している。今年からは三菱ガス化学と提携しており、技術面で三菱ガス化学のタンパク質性医薬品メーカー設立に協力していく。
 三菱ガス化学は日本の大手化学メーカーで、設立当初の主力製品は尿素と過酸化水素だった。現在は世界の医薬品・化粧品・健康食品の多くに使用されている原料、コエンザイムQ10を生産している他、スマートフォンに使われる化学材料の大型サプライヤでもあり、台湾で生産されるスマートフォンの4割以上に採用されている。
 三菱ガス化学とグリコネックスが提携した後、三菱ガス化学は2016年から自社で生産したタンパク性新薬の販売を開始し、売上高は100億円に上ることが見込まれる。(2011.08)

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