稀にみる1億米ドル規模の大型投資計画 「エルピーダ-瑞晶 の后里R&Dセンター計画」が審査を通過

J110917X5 2011年10月号(J146)

 先ごろ「エルピーダ-瑞晶の后里R&Dセンター計画」が経済部の審査を通過した。同計画では、既存のモジュール、部品及び統合関連の技術を活用して新たにプロセスルール40ナノ以下の4F2メモリセル技術を開発し、技術移転、学術研究機関との共同開発、人員の訓練等を通じて台湾企業に自主技術を掌握する機会を与え、台湾のDRAM産業における国際的な地位を高めることを重点としている。
 エルピーダメモリ株式会社(中国語名:爾必達)は日本最大規模を誇るメモリメーカーで、后里R&Dセンターは40ナノ以下の4F2メモリセル技術を主に開発し、将来は瑞晶電子股份有限公司(Rexchip Electronics Corporation)、力晶科技股份有限公司(Powerchip Technology Corporation)、華邦電子股份有限公司(Winbond Electronics Corp.)に次世代製品の量産を委託していく。情報筋によると、エルピーダによるこの投資規模は約1億米ドル(約29.5億新台湾ドルに相当)に達し、史上稀にみる大型投資計画だといえる。
 経済部は2002年から「外国企業による台湾R&Dセンター設置奨励計画」を推進してきた。同計画は台湾産業の技術発展の趨勢と需要に合わせて海外大手企業や研究機関に対して台湾R&Dセンターの設置を誘致することで、研究開発体系の国際化、重点領域における最先端技術開発の強化、高度な技術を持つ研究開発者の育成を目指している。現在すでに海外大手企業及び研究機関35社が台湾で50か所のR&Dセンターを設立している。2011年3月11日の東北大震災発生後、経済部は日本企業に対して台湾での研究開発を拡大し、天災によるリスクを分散するよう呼びかけ、日本企業からの重要技術導入を強化している。2011年は同計画の重点推進地区を日本とEUに調整している。
 経済部によると、エルピーダ以外にIBM、ASML(訳注:世界最大の半導体用露光機メーカーで、本部はオランダ)、小学館等の大手企業が台湾R&Dセンターを設置するための準備作業に協力している。(2011.09)

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