WEF の「2011年国際競争力ランキング」 台湾の競争力はスコア上昇するも順位変わらず
J110907Y8 2011年10月号(J146)
世界経済フォーラム(WEF)が2011年の「国際競争力レポート」を発表した。台湾のスコアは上がったものの、調査対象142ヵ国の中で前回と同じ13位、アジアで4位にランキングされた。
かつ台湾は111項目の指標のうち37項目について2006年にWEFが国際競争力ランキングを編纂し始めて以来の最高記録を達成し、その中でも8項目は世界1位となった。とくに「国民100万人あたりの特許取得数」は4年連続で1位を獲得し、史上最高の成績となっている。「技術革新」も142ヵ国中9位にランキングされ、台湾の技術革新力の高さを示している。
さらに台湾は2011年初めて欧米の先進国35ヵ国とともに「技術革新主導」(Innovation Driven)経済体と評価された。平均国民所得が1.7万米ドルを突破している。台湾は2010年まで効率性主導(Efficiency Driven)経済体と評価されていたが、チリ、ウルグアイ、ポーランド、ハンガリー等15ヵ国とともに技術革新主導へと移行した。
WEFが発表した国際競争力ランキング上位10か国にはそれぞれスイス、シンガポール、スウェーデン、フィンランド、米国、ドイツ、オランダ、デンマーク、日本、英国が含まれている。台湾の主な競合相手である韓国は24位(前年比2ランク後退)、中国は26位(同1ランク上昇)となっている。(2011.09)
台湾のWEF国際競争力ランキング | ||
指標 |
2011年 |
2010年 |
総合 |
13 |
13 |
1.基本要件 |
15 |
19 |
(1)制度 |
31 |
35 |
(2)インフラ整備 |
20 |
16 |
(3)マクロ経済の安定性 |
22 |
20 |
(4)保健衛生・初等教育 |
11 |
11 |
2.効率性向上要素 |
16 |
16 |
(1)高等教育 |
10 |
11 |
(2)市場効率性 |
11 |
15 |
(3)労働市場効率性 |
33 |
34 |
(4)投資市場洗練性 |
24 |
35 |
(5)技術先進性 |
24 |
20 |
(6)市場規模 |
16 |
17 |
3.改革・洗練化要素 |
10 |
7 |
(1)ビジネス洗練性 |
13 |
13 |
(2)技術革新 |
9 |
7 |
資料出所:世界経済フォーラム(WEF)、経済建設委員会 |
2011年WEF国際競争力ランキング台湾が1位の項目 | |
評価指標 | 台湾が優位性を持つ項目 |
基本要件 | 国民100人あたりの電話回線数 インフレ率(物価上昇率) 今後5年間にマラリアがビジネスに与える影響の程度 マラリアの発生率 |
効率性向上要素 | 地元市場競争の激しさ 金融サービス料金の安さ |
改革・洗練化要素 | 産業クラスタ形成の程度 国民100万人あたりの特許取得件数 |
資料出所:世界経済フォーラム(WEF)、経済建設委員会 |