商標「SANUKI」の発音が「讚岐」と同一、 南僑が敗訴

J111120Y2 2011年12月号(J148)
日本の讃岐うどんはコシの強さと独特な香りで広く知られている。南僑化学工業股份有限公司(Namchow Chemical Industrial Co., Ltd.、以下「南僑」)が生産する「讚岐急凍熟麵」シリーズは商標「SANUKI」が日本語の「讚岐」と発音が同じであるため、知的財産局に取り消されていた。南僑はこれを不服として訴訟を提起したが、知的財産裁判所は消費者に日本の製品だと誤認させるおそれがあるとして、南僑の訴えを棄却した。本案件はさらに上訴できる。【知的財産裁判所行政判決-100,行商訴,84-20111109】
 南僑は自らが讚岐うどんブランドの開拓者であると主張してきた。同社は商標権を維持するため、3年前には日本香川県観光交流局が認証する台北市讚岐うどん専門店「土三寒六」に対し内容証明郵便を送り、看板から「讚岐」の二字を外すよう要求した。
 「土三寒六」(樺島商事有限公司)の責任者である樺島泰貴氏側の主張によれば、同店は台湾では初めて香川県観光交流局から「讚岐大使館」の認証を受けており、讚岐の看板を使用することに問題はない。「讚岐」は日本香川県の古称である。そこで生産される小麦は品質に優れ、瀬戸内海の塩と組み合わせることで初めて世界に名高い讃岐うどんを生産することができる。南僑のうどんは台湾で生産されたものだが、讚岐の発音「SANUKI」を商標としているため、知的財産局に対して無効審判を請求した。経済部は南僑には商標法違反がみられるとして「SANUKI」商標を取り消したが、南僑はこれを不服として知的財産裁判所に対し行政訴訟を提起していた。
 南僑側の主張によると、同社は長年にわたって「讚岐」と「SANUKI」を組み合わせてブランドを表示しており、1998年にはすでに商標登録も行っている。たとえ「SANUKI」が日本語「讚岐」の発音だとしても、当時の国情からみて、台湾の民衆は必ずしも聞いたことがあるとは限らなかった。南僑は香川県の株式会社加ト吉(当時)から技術を導入し、包装には技術提携したことを表記しているため、消費者が誤解することはない。
 知的財産裁判所は以下のように指摘している。観光局の統計によると、1990年代台湾と日本の経済交流は活発で、台湾民衆は讃岐うどんを一般的に認識できたと考えられる。また、南僑は商品の包装に日本の加ト吉と技術提携していると表示しているが、その商品が台湾で生産されている事実を打ち消せるものではない。また消費者はアルファベット「SANUKI」をみると容易に日本の地名「讚岐」を連想し、その商品の産地であると誤認する可能性がある。このため最終的に南僑に対して敗訴を言い渡した。(2011.11)
TIPLO ECARD Fireshot Video TIPLO Brochure_Japanese TIPLO News Channel TIPLO TOUR 7th FIoor TIPLO TOUR 15th FIoor