2012年台湾の経済自由度、過去最高の世界18位に
J120113Y8 2012年2月号(J150)
米国のヘリテージ財団と米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は1月12日に報告書「グローバル経済自由度指数(Index of Economic Freedom)」を発表した。台湾は179の国・地域のうち18位となり、2011年に比べて7ランクアップした。アジア太平洋地区(41の国・地域)では香港、シンガポール、ニュージーランド、オーストラリアに次いで5位、東アジア地区では3位となり、韓国(30位)と日本(22位)を上回った。
台湾の順位は2011年に25位だったが、2012年は18位となり、11年ぶりの最高記録となった。2012年の総得点は2011年の70.8から1.1ポイント上昇して71.9に達し、4年連続で上昇した。ポイントが上昇した指標は6項目あり、「政府の財政支出」、「汚職度」、「ビジネスの自由度」、「財政の自由度」、「通貨の自由度」、「労働の自由度」が含まれる。
ヘリテージ財団の報告書によると、台湾がトップ20に入った主な理由は、政府による構造改革の堅持とビジネス環境の対外的開放にあるという。さらに台湾は法治制度が極めて発展しており、プライベートセクター部門に活気があり、市場開放が制度化され、中小企業も競争力をそなえている。近年営利事業所得税(法人税)の税率が17%に引き下げられ、企業設立要件である最低資本金も撤廃され、ビジネス効率が改善されている。一方、台湾は政府が介入する活動が多いものの、政府の財政支出は良好にコントロールされている。また台湾政府の財政支出がGDPに占める割合はわずか16%に止まり、多くの国より低い水準にある。
同調査は1995年から開始され、10項目の指標で経済体系の点数を計算している。10項目には「ビジネスの自由度(business freedom)」、「貿易の自由度(trade freedom)」、「財政の自由度(fiscal freedom)」、「政府の財政支出(government spending」」、「通貨の自由度monetary freedom」、「投資の自由度(investment freedom」」、「金融の自由度(financial freedom)」、「財産権(property rights)」、「汚職度(freedom from corruption)」、「労働の自由度(labor freedom)」が含まれる。
2012年最も自由な10ヵ国は1位から香港、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド、スイス、カナダ、チリ、モーリシャス、アイルランド、米国の順になっている。香港は18年連続で「世界で最も自由な経済体」に選ばれた。
台湾の経済自由度は18位にランキングされ、近年政府が推進している財政経済面での規制緩和という方向性が正しいことを示している。行政院経済建設委員会は今後も継続して四半期毎に「國際評比改善專案小組(国際評価改善プロジェクトチーム)」会議を開き、関連部署の副首長を招集して選定された重要な国際評価指標における弱い項目を検討し、対応策を練って実施していく予定だ。(2012.01)
2012年世界経済自由度ランキング | |||||||
順位 |
国家 |
得点 |
得点の |
順位 |
国家 |
得点 |
得点の |
1 |
香港 |
89.9 |
+0.2 |
11 |
デンマーク |
76.2 |
-2.4 |
2 |
シンガポール |
87.5 |
+0.3 |
12 |
バーレーン |
75.2 |
-2.5 |
3 |
オーストラリア |
83.1 |
+0.6 |
13 |
ルクセンブルグ |
74.5 |
-1.7 |
4 |
ニュージーランド |
82.1 |
-0.2 |
14 |
英国 |
74.1 |
-0.4 |
5 |
スイス |
81.1 |
-0.8 |
15 |
オランダ |
73.3 |
-1.4 |
6 |
カナダ |
79.9 |
-0.9 |
16 |
エストニア |
73.2 |
-2.0 |
7 |
チリ |
78.3 |
+0.9 |
17 |
フィンランド |
72.3 |
-1.7 |
8 |
モーリシャス |
77.0 |
+0.8 |
18 |
台湾 |
71.9 |
+1.1 |
9 |
アイルランド |
76.9 |
-1.8 |
19 |
マカオ |
71.8 |
-1.3 |
10 |
米国 |
76.3 |
-1.5 |
20 |
キプロス |
71.8 |
-1.5 |
注:点数の変動は2011年との比較 資料出所:米国ヘリテージ財団(http://www.heritage.org/index/) |