「LONGIN対LONGINES」商標係争、隆銀がロンジンに敗北

J120430Y2 2012年5月号(J153)

 隆銀実業開発有限公司(以下「隆銀」)は「LONGIN」を衣料品の商標として登録出願したが、著名商標「LONGINES」と類似しているため、知的財産局に登録を取り消された。隆銀はこれを不服として行政訴訟を提起していたが、知的財産裁判所の裁判官は、両商標が類似しており、消費者に混同を生じさせやすいと判断し、隆銀に敗訴を言い渡した。【知的財産裁判所行政判決-100,行商訴,163-20120426】
 隆銀の主張によると、「LONGIN」は(社名の)音訳であり、特に頭文字の「L」は図形でデザインされており、「LONGINES」とは異なる。また「LONGINES」は高級時計に、「LONGIN」は低価格衣料品にそれぞれ使用されており、両商品に関連性がないとして、隆銀は行政訴訟を提起した。同社は2009年7月衣料品及び靴・ソックスでの使用を指定して「LONGIN」商標の登録を出願し、許可された(が、その後取り消された)。隆銀は商標「LONGINES」とは外観、呼称、指定商品ともに異なるため、消費者は容易に区別でき、出所が同一であると誤認することがないとして、裁判官に知的財産局の処分取消と「LONGIN」商標登録の許可を請求した。
 スイスのロンジン(中国語名:瑞士商佛朗西龍隆吉那鐘錶股份有限公司、外国語名:Compagnie Des Montres Longines,Francillon S.A.(Longines Watch Co.,Francillon Ltd.))の主張によると、同社は100年の歴史を持ち、「LONGINES」の文字と「翼の砂時計」のマークで世界での販売を行い、世界の映画スターたちがイメージキャラクターを務めている。同社は「LONGINES」ブランドで衣料品も販売しており、隆銀の衣料品商標が同社の商標と類似しているため、消費者に両者の出所が同じ会社だと誤認させる可能性がある。
 知的財産裁判所の裁判官は、両商標の全体が関連する消費者に与える印象と呼称の類似度がきわめて高く、ロンジンが衣料品や帽子等を含む多角経営を行っているため、双方の販売方法と販売場所の重複度が高いと判断し、隆銀に敗訴を言い渡した。(2012.04)

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