林書豪を挙例、アディダスが商標権訴訟に勝利

J120530Y2 2012年6月号(J154)

 独アディダス社(英語名:Adidas AG、中国語名:德商阿迪達斯公司)の商標である「3本ライン」は市場でも有名だが、台湾での登録に躓き、行政訴訟を提起して知的財産局による商標登録を請求していた。訴状において、NBAのスターである林書豪(ジェレミー・リン)などを例に挙げ、アディダスが長期にわたって国際的なスポーツイベントを賛助したことにより、同社の商標はすでに識別性を有していることを証明した。知的財産裁判所は審理の結果、知的財産局に対して同商標の登録を直接命じるという稀に見る判決を下した。【知的財産裁判所行政判決-100,行商訴,154-20120523】
 2008年アディダスは知的財産局に商標登録を出願したが拒絶査定を受け、行政訴願も棄却され、行政訴訟を提起した。2009年知的財産裁判所は訴願決定と原処分を取り消し、知的財産局へ再審査を行うよう差し戻したが、知的財産局は依然、同商標には識別性がないとの判断を下した。
 アディダス側の主張によれば、同社の製品は全世界で販売されている。国際的なスポーツイベントや有名選手のスポンサーとして賛助してきたため、アディダスは著名ブランドになっている。最近は人気沸騰のNBA選手、林書豪がアディダスの3本ラインが両側に入ったスポーツウェアを着用し、プレイする様子が国内外のメディアを通じて放映され、アディダスの3本ライン商標はさらに知名度を高めた。アディダスが提出した市場調査結果によると、この3本ラインをみてアディダスを連想する消費者は83%に上っており、これは消費者がこの3本ラインで商品の出所を識別できることを示している。
 知的財産局の答弁によれば、多くのブランドのスポーツウェアには両側にラインがあり、アディダスのウェアの3本ラインは被服の装飾的図案にすぎず、消費者はこれから商品の出所を識別できないため、特殊性を有しない。
 裁判官の合議体は、同商標はアディダスが長期的に広く販売することにより、消費者が「3本ライン」をみてアディダスを連想するようになっており、セカンダリー・ミーニング(先天的識別性)が得られているため、商標法第23条第4項の規定要件を満足しているとして、前述の判決を下した。(2012.05)

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