2012年台湾の知識競争力はアジア一

J120607Z8・J120606Z8 2012年7月号(J155)

 世界銀行は最新の「2012年知識経済指数(Knowledge Economy Index;略称KEI)」ランキングを発表した。台湾は評価対象である146の国・地域の中で13位、アジアで1位にランキングされた。これは香港(18位)、日本(22位)、シンガポール(23位)、韓国(29位)を上回る順位となっている。また注目すべきことは、トップ5が欧州諸国によって占められていることである。1位から順に、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、オランダ、ノルウェーとなっている。
 KEIランキングは現時点で最も重視されている知識経済競争力の総合的指標であり、「経済インセンティブと制度の体系(Economic Incentive and Institutional Regime、以下「インセンティブ」)」、「技術革新と技術導入(Innovation and Technological Adoption、以下「技術革新」)」、「教育と訓練(Education and Training、以下「教育」)」、「情報通信技術インフラストラクチャー(Information and Communications Technologies (ICT) Infrastructure、以下「ICT」)」の4ジャンル(各ジャンルに3指標)、計12指数で構成されている。
 行政院経済建設委員会によると、世界銀行の2012年KEIランキングにおいて台湾は「教育」、「技術革新」、「ICT」の各方面で安定成長しており、いずれも10位以内に入っているが、「インセンティブ」だけはまだ改善の余地がある。
 さらに同委員会の分析によると、「教育」に関して、台湾は日本、香港、シンガポールを上回る世界8位にランキングされ、台湾として順位が最も高いジャンルとなっている。近年、台湾の人的資本(就学年数、技能経験及び専門レベル)が向上し続けており、経済の転換やレベルアップに役立っていることがうかがわれる。
 「ICT」に関して、台湾は世界9位、アジアで1位にランキングされ、香港、日本、シンガポール、韓国を上回っている。近年、台湾政府が積極的にICT関連のインフラ(特に高速広帯域ネットの普及と効率)を整備し、技術を生活に応用するよう推進する成果が現れていることがうかがわれる。
 「技術革新」に関して、台湾は世界9位、アジアで2位にランキングされ、シンガポールに次いでいる。世界銀行によると、台湾は自主的な技術革新と世界からの知識吸収に優れており、とくに人口100万人あたりの米国特許取得件数(2010年413件)は世界一だという。
 「インセンティブ」に関して、台湾は世界35位で、シンガポールと香港を下回ったが、日本と韓国を上回っている。台湾では法規の執行が緩い上、貿易障壁と投資障壁についてはまだ改善の余地がある。
 経済建設委員会によると、世界の経済情勢が大きく変動する影響を受けて、世界の多くの国々では2012のKEI評価点(10点満点)が2000年に比べて軒並み後退している。台湾のKEI評価点も0.06下がっているものの、その下落幅はシンガポール、韓国、日本より少なく、台湾の知識経済競争力が受けた打撃は比較的小さいことがうかがえる。(2012.06)

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