台湾の個人情報保護法、10月から施行

J121001Y9・J120930Y9 2012年10月号(J158)

 個人資料保護法(略称「個資法」、訳注:日本の個人情報保護法に相当。台湾では1995年に「電脳処理個人資料保護法」(全45条)が公布され、2010年に「個人資料保護法」への改名、全56条への改正、施行日が公布された)は第6条、第54条を除くその他の条文が2012年10月1日から施行される。今後は同法がすべての個人情報に対する保護を拡大し、業界別の制約を取り消す他、公益目的である場合、犯罪前科の報道や人肉検索(訳注:ネット情報をもとに人手で情報を集めること)は違法にあたらないと規定している。
 法務部が出したニュースリリースによると、個資法は2010年5月26日に改正が公布された後、同部は積極的に個資法の施行準備を行ってきた。専門家や関連機関の代表を招集して行った個資法施行細則の検討会議は41回に上る。またそれに係わる宣伝や訓練を行った他、「個人資料保護法施行細則」、「個人資料保護法の特定目的及び個人資料の類別」等の法規命令の改正手続きを行い、2012年10月1日に個資法と同時に施行される。個資法施行細則の改正検討会議期間に、各界代表が問題の条文について様々な懸念を提出した(例えば、「個資法第6条における特種の個人情報の収集・処理・使用に関する要件が厳しすぎる」、「第41条における非営利目的刑事政策の含む範囲が広すぎる」、「告知義務の遡及を1年以内に完了しなければならないとする第54条の規定は不合理である」等)。法務部は慎重に対応するため、個資法部分条文の改正案を行政院に別途提出して許可された。2012年9月6日にはすでに立法院の審議へ送られている。
 新たな個資法によると、マスメディア関連業者はニュース報道の公益目的に基づいて医療、遺伝子、性生活等の個人情報を収集する場合、原則的に当事者に告知する必要はない。また、非公務機関が個人情報を使用又は処理し、公共の利益と関連がある場合、あるいは個人情報を通常得られる出所から取得し、且つ該資料の使用が資料の保護よりもより大きな利益をもたらす場合は、当事者の同意を得ずに使用することができる。
 一般市民のネットワーク使用については、フェースブックやブログ等における他者と一緒に撮影した写真の掲載は社交活動や家庭生活の目的範囲内にある場合、個資法の関連規定により適用から排除され、民法が適用される。また「人肉搜索(人肉検索)」はすでに人気の捜索手段となっている。法務部によると、個資法に基づいて今後人肉検索が公共利益に係わる場合(例えば、ネット利用者が動物虐待や公共物破壊等の不当な行為を掲示して、公務機関が当事者の身分を調査するのに協力する場合)は、合理的な個人情報収集の範囲に属する。
 新たな個資法では、民事、刑事及び行政罰の責任が含まれ、同一事件の民事損害賠償額上限を2億新台湾ドルに引き上げ、団体訴訟システムを追加している。刑事責任は営利目的の違法行為に対して5年以下の懲役(100万新台湾ドル以下の罰金の併科も可)にまで量刑が加重され、非親告罪に改正されている。行政処罰に関しては、過料の金額が引き上げられた。(2012.09)

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