營業秘密法の一部改正案、行政院の審議を通過

J121026Y4 2012年11月号(J159)

 2012年10月25日に行政院の審議を通過した経済部「営業秘密法」改正案が立法院の審議に送られる。
 行政院の陳沖院長によると、営業秘密は知的財産権戦略の布陣の一部であり、さらにその布陣強化は行政院経済建設委員会が策定した「経済動能推升方案(Economic Power-up Plan)」における重要項目の一つでもある。今回の「営業秘密法」改正において刑事責任が追加され、法定刑を5年以下の有期懲役と最高1,000万新台湾ドルの罰金(併科可)と定めている。海外で営業秘密の使用を意図した場合は処罰を加重し、法定刑を6ヵ月以上5年以下の有期懲役と最高5,000万新台湾ドルの罰金(併科可)としている。これにより営業秘密の侵害を有効に阻止し、台湾産業による技術革新や研究開発の成果を適切に保護することができる。
 経済部によると、「営業秘密法」は1996年1月17日に公布・施行されてから現在まで16年以上改正されていない。国際ビジネス活動が複雑化するにつれて、近年各国の営業秘密法制が調整されており、とくに営業秘密侵害行為の刑事責任の追加や刑事責任の加重が重要な傾向となっている。現行の刑法第317条、第318条之1及び第318条之2では、営業秘密侵害行為に対する刑事責任が規定されているが、正当な理由なく営業秘密を漏えいした行為のみを処罰し、不法な取得や不法な使用については処罰しないことになっている。現行の刑法規定では完全性に欠け、法定刑が軽すぎ、営業秘密を有効に保護することができないため、「営業秘密法」改正案を作成した。その要点は以下の通り。
一.刑事責任の追加
営業秘密侵害の犯罪行為の様態には、◆窃取等の不正な方法での取得、使用又は漏洩、◆使用の未許諾や許諾範囲の超過による複製、使用又は洩漏、◆削除、破棄を告知したにも拘わらず営業秘密を削除、破棄しない、又は隠匿、◆悪意の取得者による取得、使用又は漏えい、が含まれる。刑事責任は5年以下有期懲役又は拘留とし、5万新台湾ドル以上1,000万新台湾以上の罰金を併科できる。(改正条文第13条之1)
二.海外使用に対する処罰加重
海外での使用を意図して改正条文第13条之1第1項に記載される罪を犯した場合の処罰規定を加重する。営業秘密侵害の刑事責任は親告罪とする。(改正条文第13条之2及び第13条之3)
三.刑事罰の両罰規定
法人の代表者、法人又は自然人の代理人、被雇用者又はその他の従業員が業務の執行により営業秘密を侵害したことで刑事責任を負う必要がある場合、本法により行為者を処罰するほか、両罰規定により当該法人又は自然人に対しても該当する条項の罰金を科す。(改正条文第13条之4)
四.被告の具体的答弁で訴訟を促進する義務の追加
訴訟手続の進行を促進するため、原告が営業秘密を侵害された又はその虞があると主張する事実について疎明されている場合、被告がその行為を否認したならば、その否認に関する具体的答弁を行わなければならない。正当な理由がなく答弁を行わない、又は答弁が具体的ではなかった場合、裁判所は状況を酌量して原告がすでに疎明している内容を真実であると認めることができる。(改正条文第14条之1)(2012.10)

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