2012年台湾における特許・商標出願件数は日米が最多

J130205Y1 2013年3月号(J163)

 経済部知的財産局は2012年の知的財産局による特許・商標出願案件受理状況と台湾人による五大特許局に対する特許・商標出願状況を発表した。2012年に知的財産局が受理した特許出願件数は85,073件、商標登録出願件数は74,357件に上り、それぞれ前年比でそれぞれ2.5%増、10.0%増となり、安定成長している。外国人の台湾における知的財産活動は活発で、日本と米国が最も積極的だ。台湾人の海外における知的財産権の布陣に関しては中国と米国に集中しており、特に商標登録の出願がより大きく成長している。
(※台湾において「特許」は発明特許、実用新案、意匠を含む)
 2012年知的財産局が受理した特許出願件数を種類別にみると、発明特許が51,189件、実用新案が25,636件、意匠が8,248件に達し、いずれも前年比で増加している。発明特許の年成長率は2.2%であり、これは外国人の出願件数(28,112件)が増加していることを反映している。一方、台湾人の出願件数(23,077件)はやや減少しており、注意すべきだ。実用新案と意匠はいずれも台湾人による出願が多く、実用新案に関しては大多数(24,427件)を占めている。
 
外国人による台湾への特許及び商標登録出願件数はいずれも成長している。特許出願については計32,558件で、前年比5.8%増加している。国・地域別にみると、上位3ヵ国のうち、日本(13,978件)が長年にわたり首位を占め、2012年の特許出願件数は過去最高を記録した。また、日本の発明特許出願件数(12,646件)はその他の国を大きく上回っており、台湾におけるパテント・ポートフォリオ構築に最も積極的な国となっている。米国(8,286件)は長年2位を占め、出願件数も安定成長している。韓国とドイツを抑えて3位に躍り出た中国(1,945件)は前年比で46.4%成長している。中国の特許出願のうち、発明特許(1,254件)が80%近く成長しており、今後の発展が注目される。
 
外国人による商標登録出願件数は計18,661件(案件数ベース)となり、前年比で11.6%増加している。国・地域別にみると、日本(4,270件)が20.6%成長して首位に返り咲いており、台湾市場に積極的に参入しようとする意欲がうかがわれる。米国は2位に後退したものの、出願件数は小幅ながら成長している。中国(2,544件)は2,000件を突破し、最も成長が速い(29.3%)。以上のデータから、外国人の台湾に対する特許及び商標登録の出願件数はいずれも成長しており、とくに日本と米国が上位を占め、中国も経済力を後ろ盾として、台湾で迅速かつ積極的に(特許・商標に関する)布陣を行っている。
 
さらに台湾人による海外での知的財産権の布陣については、中国と米国に対する出願が主であり、とくに商標登録出願については中国への集中がさらに高まっている。2011年の特許出願については、中国(22,702件)と米国(19,633件)に対する出願が最も多く、台湾人が両市場を最も重視していることがうかがわれる。総体的には、年成長率は下がっており、中国(1.26%)と欧州(2.02%)に対する出願件数がやや成長したのを除き、その他の地区に対しては2.57%12.19%減少している。日本における特許出願件数(2,845件)の減少幅が最も大きく、これは一部の領域の技術がすでに成熟していること、日本市場における優位性が低いことが原因だと推測される。一方、韓国特許庁が発表した最新統計によると、2012年台湾が韓国に対する出願件数は1,229件に達し、順位も7位から6位に上昇している。商標登録出願については、中国における出願件数が7,214件に達し(2012年第13四半期はすでに13,398件に達している)、その他の国を大きくリードし、台湾人の商標登録先としてファーストチョイスとなっている。これは中国の消費市場が極めて大きく、双方の交流がより密接になってきているためとみられる。米国(1,525件)は台湾人にとって商標登録先のセカンドチョイスであり、出願件数は近年安定成長している。しかしながら、その他の国に対する商標登録出願は2.21%~9.90%減少している。特許同様に商標登録も日本に対する出願件数(537件)の減少幅が最も大きい。以上のデータから、台湾は中国への特許及び商標登録の出願が成長し続ける一方、日本への出願が相対的に減少しており、台湾の海外における知的財産権布陣の戦略に変化がみられていることがうかがわれ、今後注目するに値する。
 
各国・地域から台湾への特許及び商標登録出願件数は年々増加しており、ボーダレス企業が研究開発を積極に行っている他、台湾がその知的財産権保護に努力していることがうかがえる。また一方では、台湾から5ヵ国・地区に対する出願が中国と米国に集中し、その他は減少している。技術が転換の必要性に迫られる中、国際市場への進出に成功したければ、企業は優れた特許の開発を強化する他、海外における知的財産権の布陣を重視すべきであり、それによって初めて生存と成長の余地を手に入れることができる。2013.02

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