「御茶」商標を巡る争奪戦、「御茶園」が「御茶醸」に勝訴

J130305Y2 2013年4月号(J164)

 芸能人が宣伝していた醤油「御茶醸」は「御茶園」を販売する維他露食品股份有限公司(Vitalon Foods Company Ltd.、以下「維他露」)から、「御茶」の二文字が混同を招きやすく、消費者に同社の製品であると誤認させるため、商標権侵害であるとして訴訟を提起されていた。知的財産裁判所はこの主張を認め、「御茶醸」に敗訴の判決を下すとともに、「御茶」の使用を禁じた。(知的財産裁判所民事判決-101民商訴29-20130226)
 
本件の審理において、「御茶醸」を販売する佳格食品股份有限公司(Standard Foods Corporation、以下「佳格」)は、一つはお茶飲料、一つは醤油の商標なので、消費者群が異なり、混同することはないと主張していたが、知的財産裁判所はお茶飲料と醤油はいずれも飲食と関連があり、消費者の重複の度合いが極めて高いと認め、前述の判決を下した。
 
飲料メーカーと食品メーカーによる「御茶」商標の争奪戦はすでに数年にわたっている。先に「御茶園」を登録した維他露は佳格の「御茶醸」商標登記を許可した知的財産局に異議申立を行った。知的財産局は審理した結果,商標が混同しやすいと認め、「御茶醸」の商標登録を取り消した。佳格は行政訴願を提起したが却下されたため、知的財産裁判所に行政訴訟を提起していた。裁判官は確かに混同の虞があると認め、佳格に敗訴の判決を下した。「御茶園」の維他露は優勢に乗じて民事訴訟を提起し、「御茶醸」の商標は商標権を侵害していると主張していた。
 
醬油「御茶醸」は国内食品大手の佳格が販売している最高級醤油であり、2006年に商標登録を行い、「得意的一天」シリーズ商品とともに芸能人を起用して広告を打ったこともある。
 
「御茶園」は維他露が生産・販売する著名飲料であり、2001年に商標を登録し、多くの芸能人による宣伝を行ってきた。さらにビジネス誌「管理雜誌」第391期に掲載された2007年国内消費者からみた理想のブランド調査資料によると、「御茶園」シリーズ商品は2006年と2007年に、お茶飲料ジャンルでいずれも2位に番付されている。
 
維他露は、「『御茶醸』は醬油の商標だが、『御茶園』商標とは高い類似性を有し、消費者に同じシリーズの商標だと誤認混同させる虞がある」と主張していたのに対して、佳格は、「『醸』と『園』の文字の外観は明らかに異なり、さらに醬油とお茶は生活において需要、使用方法が異なり、全く異なる商品である」と主張していた。(2013.03

TIPLO ECARD Fireshot Video TIPLO Brochure_Japanese TIPLO News Channel TIPLO TOUR 7th FIoor TIPLO TOUR 15th FIoor