黒白チェックは「識別性なし」、バーバリーの敗訴確定

J130412Y2 2013年5月号(J165)

 世界の著名ブランド、バーバリー(中国語名:英商布拜里公司、英語名:Burberry Limited)は知的財産局から白黒系クラシックチェックであるBURBERRY CHECKBlack & White)」商標登録出願に対して拒絶査定を受けた。行政訴願を提起したが棄却されたため、知的財産裁判所に行政訴訟を提起したが、請求を棄却された。このため最高行政裁判所に上訴したが、最終的には「識別性なし」という理由で上訴は棄却の裁定を受け、判決が確定した。(最高行政裁判所裁定-102,,443-20130411/知的財産裁判所行政判決-101,行商訴,136-20130110
 
バーバリーのピンク系、ライトブルー系のクラシックチェックは豪華でスタイリッシュな象徴となっている。その白黒系のチェックは18年前から世界各国で商標登録を出願し、順調に商標を登録してきたが、台湾でつまずいた。
 
バーバリーの主張によると、バーバリーのクラシック商標は140年余りにわたって使用されており、周知の商標となっている。ブラウン、レッド、ブラックの組み合わせ以外に、ピンク、ライトブルー系、白黒系もある。2008年からは白黒チェックで、単純に繰り返し連続する太いブラックラインと細いブラックラインが縦横に交差し、重なった部分には白い四角が現れるという図案を、香水、化粧品、メガネ、スカーフ、生地、衣料品等の商品に使用することを指定して知的財産局に出願していたが、拒絶査定を受けた。
 
さらにバーバリーによると、本件商標を使用する商品は世界の444ヵ所の直営店と1100ヵ所の高級品店、百貨店で陳列販売されており、商標の識別性は高く、人々の心に深く植え付けられている。さらに英国、米国、EC、日本及び世界の知的財産権関連組織などから登録を許可されているため、台湾の知的財産局で拒絶される理由はない。
 
一方、経済部知的財産局の主張によると、バーバリーが提出した売場写真からも分かるように、台湾の百貨店が陳列している大部分の商品はカラー商標製品で、白黒チェックという図案の商品は比較的少ない。関連する商品の国内における販売状況及び営業データから、白黒チェックがすでに幅広く大量に使用されていると認定することも難しい。本件の商標はシンプルな黒白の組合せの商標を以て出願しており、商標権の許可査定により、実務上、排他権の範囲は、その他の色彩を組み合わせた同じタイプのチェック図案に及ぶ可能性があり、国内同業者が様々な比率や多種の色彩を採用したチェック柄を関連する商品の外面又は包装上における装飾図案とするケースがよく見られ、本件商標が登録されると、同業者が合理的に使用する余地に影響を及ぼし、商品が装飾機能を用いる自由に支障が出るであろう。
 
知的財産裁判所は以下のように判断した。たとえ海外でバーバリーの白黒チェック商品が大量に販売されたとしても、バーバリーが白黒チェックを台湾で長期にわたり台湾で大量に使用したことは証明できない。さらに各国は商標に対して属地主義を採用しており、他国で登録を許可されたからといって、台湾もそれに準拠しなければならないというものではない。裁判所は商標の先天的識別性の要件、後天的識別性の要件、属地主義及び商標保護独立の原則等を参酌した結果、本件の商標は商標法第29条第1項第3号、第2項の登録できない事由に該当すると認定するものである。最終的に最高行政裁判所はバーバリーの上訴は法に合わないと認め、上訴の棄却を裁定した。(2013.04

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