「国安三角瓶」に識別性無し、三洋薬品は商標訴訟で敗訴

J130704Y2 2013年8月号(J168)

 三洋薬品工業股份有限公司(San Yo Pharmaceutical Industrial Co., Ltd.、以下「三洋薬品」安三角瓶」立体商標の登録を知的財産局に出願したが、同業者が商標法規定に適合しないと主張したため、登録を取り消された。三洋薬品はこれを不服として、知的財産裁判所に行政訴訟を提起したが、審理の結果、同商標に識別性がないと認定され、三洋薬品に敗訴が言い渡された。知的財産裁判所行政判決-102,行商訴,24-20130627
 
三洋薬品は国安製薬股份有限公司(Kuo An Pharmaceutical Co., Ltd.、以下「国安製薬」)の「三角矸」平面商標2件を裁判所の競売で落札した後、「国安三角瓶」立体商標を知的財産局に対して登録出願したが、製薬会社2社が同商標は商標法規定に適合しないとして異議申立を行った。知的財産局は審理の結果、すでに三洋薬品に許可していた「国安三角瓶」立体商標の登録を取り消した。(訳注:台湾語の「三角矸」は三角瓶の意)
 三洋薬品の主張によると、
20042006年に同社は1億新台湾ドル近くを投じテレビで宣伝してきた。消費者は「三角瓶」立体商標を十分に熟知しており、テレビCMで「三角矸仔的国安感冒液,要買對喔(「三角瓶の国安風邪シロップ、購入の際はお間違いなく」の意)」という台湾語のフレーズを繰り返して放映し、消費者に「三角瓶」の印象を強く植え付けようとしてきた。広告を頻繁に放映することで、商品の販売量は成長し続けた。ここからも消費者が「三角瓶」立体商標に繰り返し接触することで、正確にそれが表彰する商品の出所を認知できるようになっており、即ち該商標の立体形状は先天的識別性を有しないが、後天的識別性は具えている。
 
知的財産裁判所によると、三洋薬品は2002年に国安製薬が登録した「三角矸」平面商標2件を取得した。国安薬品の経営を概括的に譲り受けたわけではないので、三洋薬品が競売で取得したものは平面商標の使用権及び排他権に限られ、それを「三角矸」の文字や図形概念と同一又は類似する立体三角瓶にまで拡大することはできない。さらに、国安三角瓶には回転蓋が組み合わされており、単なる包装容器の形状であるため、先天的識別性を具えていない。
 
判決書によると、該立体商標は出願される以前に製薬会社2社が三角瓶を使用した風邪シロップを販売していたため、三角瓶には後天的識別性がなく、三洋薬品の主張を認めることはできない。本案件はさらに上訴することができる。(20137)

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