台湾語の発音が「生ビール」の意、「青啤」商標の登録認めず

J130702Y2 2013年8月号(J168)

 台湾青啤股份有限公司(Taiwan Tsing Beer Co., Ltd.、以下「台湾青啤」)は創立十年余りになり、三洋維士比グループ(Sanyo Whisbih Group)の傘下にある。同社は20089月に「青啤」文字商標の登録を知的財産局に出願し、「高粱酒(コーリャン酒)、ウイスキー、ワイン」等の酒及びビール以外のアルコール飲料における使用を指定したが、拒絶査定を受けた。台湾青啤はこれを不服として行政訴願を提起したが棄却されたため、行政訴訟を提起した。知的財産裁判所は201212月に知的財産局は対して原処分を取り消し、再び処分を行うよう命じる判決を下したが、同局はこれを不服として最高行政裁判所に上訴していた。最終的に最高行政裁判所は台湾青啤に「青啤」商標登録を許可しない判決を下し、判決が確定した。(最高行政裁判所-102,,384-20130625
 
知的財産局によると、「青啤」という二文字は、台湾の方言(即ち台湾語又は閩南語)の発音が「ㄟㄆㄟˊツェー・ベェ)」又は「ㄟㄇㄟㄚツェー・メア)」であり「生ビール」の意を有する。このため商標権の属地主義原則に基づいて、「青」の発音と表徴する意味を参酌するべきである。「青」の台湾語の発音「ツェー)」は「生」又は新鮮という意を有し、且つ該「」の発音が「啤酒(ビール)」と組み合わされた場合、「『』啤酒」即ち「『生』啤酒(生ビール)」の意を有する。「『』啤酒」は台湾地区における一般社会通念から観察すると、商品そのものの説明となり、商品を描写する性質を有する。かりに「青啤」を商標としてビール以外の商品に使用した場合、消費者は生ビールであると誤認する可能性があるため、改正前の商標法第23条第1項第11号規定を適用して、登録を許可しない。
 知的財産裁判所の見解によると、「青啤」商標はアルコール濃度が高い酒における使用を指定している。様々な形式の売場を総合的にみると、いずれも同類の商品を同じ場所に置く習慣がある。さらに酒の包装にはそれぞれ特殊性があり、蓋、ボトルの設計や材質に反映され、高価格帯の酒は箱の包装によってその価値が表彰されている。ビールは低価格であり、開封後は保存できず、飲み切る必要があるため、その商品の配置場所はその他の酒とは異なる。消費者は購買する商品の種類が何かを容易に識別でき、商標が「青啤」であることによって購買する商品が生ビールであると誤認、誤信することはないため、(知的財産裁判所は)知的財産局に原処分を取り消し、再び処分を行うよう命じる判決を下した。
 
知的財産局は知的財産裁判所の判決を不服として上訴した。最高行政裁判所は知的財産局の見解を支持し、原判決は一般消費者の立場に立って、商標の図案や文字など全体の外観、観念又は呼称が与える印象が、商品又は役務の性質、品質又は原産地に対して誤認、誤信させる可能性の有無を観察していないため、知的財産局に勝訴の判決を下した。(20137)

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