台湾、ニュージーランドと経済協力協定(ANZTEC)を締結

J130711Y8・J130711Z8 2013年8月号(J168)

 台湾は2013710日、ニュージーランドと「台湾・澎湖・金門・馬祖個別関税領域とニュージーランドとの経済協力協定」(Agreement between New Zealand and the Separate Customs Territory of Taiwan, Penghu, Kinmen, and Matsu on Economic Cooperation、略称ANZTEC)を締結した。
 
経済部によると、台湾はニュージーランドにとって12番目の規模を持つ貿易パートナーであり、双方の貿易額は約12700万米ドルに上る。双方の研究結果によると、ANZTECは双方の輸出市場アクセス拡大とともに、消費者に対する福祉増大につながる。総体的にいえば、台湾の総生産額と雇用にプラスの効果がもたらすものとみられている
 ANZTECは計25章から成り、物品貿易、原産地規則、税関手続きと提携、国境を越えるサービス貿易、投資、政府調達、紛争解決、貿易の技術的障害、衛生検査及び動植物防疫・検疫、電子商取引、競争政策、知的財産権、制度に関する取り決め(制度条項)及び一般的な共通議題(序文、定義、一般的例外、透明化)、並びに労働者、環境、先住民、映像共同制作を含む協力議題など幅広いテーマが盛り込まれている。
 ANZTECは全面的に市場を開放する協定であり、台湾にもたらす利益を以下に略述する。
一.貨品貿易については、台湾側による自由化の範囲が統計品目の99.88%(コメを除外)、ニュージーランド側は100%に達する。台湾の対ニュージーランド輸出品目は主に工業製品であり、ニュージーランドの工業製品項目の99.61%が協定発効と同時にゼロ関税となるため、台湾製工業製品の対ニュージーランド輸出に極めて有利となる。
二.サービル業及び投資については、双方ともサービス貿易市場開放の程度がWTO枠組における市場開放の約束より高い。ニュージーランド側はANZTECにおいてエンジニアリング、都市計画、景観・建築、研究開発、環境等のサービス業をさらに自由化する。
三.ニュージーランドはいまだWTO政府調達協定(GPA)の締結国ではない(元来台湾サプライヤに対して政府調達市場への参入を制限していた)が、ANZTECの政府調達の章において互いに市場開放することを要求しており、台湾サプライヤがニュージーランドの政府調達市場へ参入するのに役立つ。
四.観光産業の発展のため、ANZTECは航空運送サービスに関して互いに航行自由化(オープンスカイ)を行い、運航を増やすので、台湾とニュージーランドとの間における貿易とツーリズムの交流・協力を促進するのに役立つ。
五.ANZTECには、国際的に極めて先進的なコンセプトも包括している。例えば、自由貿易が国家環境政策を尊重する必要性を強調し、台湾ニュージーランド双方はエコ製品を特定し、エコ製品の流通・使用を奨励している。
六.双方は先住民の権利と利益を重視して保障するとともに、クリエイティブ産業と映像産業の競争力を強調し、双方は先住民族に関する協力と映像共同制作を協定に盛り込み、これらの産業の協力関係を強化していく。
 
経済部によると、ニュージーランドはアジア太平洋地域において経済貿易に関する布陣を十分に整えており、1990年代からは地域経済の統合に積極的に参加してきたため、ANZTECの締結は、台湾にとって地域統合への参加、アジア太平洋地域との連結、グローバルな展開という政策目標に向かって大きな一歩を踏み出すことを意味し、台湾の自由化に対する決意を示すものでもある。台湾による他国とのEFCA締結や地域貿易協定参加への促進にとってもプラスの意味を持っている。(20137)

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