米「2013 R&D 100 Awards」で台湾が大賞6項目を獲得

J130710Y8・J130710Z8 2013年8月号(J168)

 米「2013 R&D 100 Awards」の受賞者リストが発表された。経済部が指導する科学専案(Technology Development Program)の研究開発チームは2012年に大賞7項目を獲得しているが、2013年も6項目を獲得した。内訳は工業技術研究院Industrial Technology Research Institute)が3項目、資訊工業策進会(Institute for Information Industry)が2項目、そして初受賞の金属工業研究発展中心(Metal Industries Research and Development Centre)が1項目となっている。とくに工業技術研究院は再び異彩を放ち、「ヘッドマウントディスプレイのAir Touch技術」、「磁力最適化モーター」、「二酸化炭素排出が少ないセルロース系ブタノールの生産技術」の3項目で受賞し、6年間連続で合計16項目の大賞を獲得するという記録を樹立した。
 
2013 R&D 100 Awards」の主催者(R&Dマガジン社)によると、2013年はNASA、トヨタなどの著名な研究機関や企業が角逐した。そのうち42項目の技術は異分野共同開発の成果であり、それらの技術から共同開発の傾向がうかがわれる。工業技術研究院は独立研究機関として参加し、3項目が受賞して優れた成果をあげた。
 
「ヘッドマウントディスプレイのAir Touch技術(iAT technology)」は世界初の革新的発明であり、グルグルグラスが音声で制御するのに対して、Air Touch技術は「眼到手到心到(目で見て、手で行い、心で感じる)」を実現できる。スマートグラス「Air Touch」を装着すると、指を動かしたり、手を振ったりするだけで、目の前のバーチャル映像とインタラクティブにやりとりすることができ、大きな可能性を有するウエアラブルデバイスである。
 省エネ電機技術の大発明である「磁力最適化モーター(FluxMerge)」は、薄型モーターでの使用に適し、モーター効率を最適化することにより、モーターの軽量化、スリム化を実現できる。昇降椅子本体(減速機を含む)の厚さを6cm減らすと同時に、階段昇降椅子の充電に対する需要を減らし、民生家電製品の省エネ化をさらに進めている。
 「二酸化炭素排出が少ないセルロース系ブタノールの生産技術ButyFix)」は生成物がエタノールではなくブタノールであり、ガソリンとの混合効果に優れるため、混合比率を高めることができる。さらに従来の発酵理論による炭素転換率の制約(67%)を打ち破り、特殊培養した菌株で、原料の炭素利用率を94%にまで高めるのに成功した。これは世界の研究開発水準より優れ、生産過程における二酸化炭素排出量を大幅に削減し、食糧以外の原料の利用率を有効に高めることができる。同技術は台湾が将来エネルギー、環境、産業の方面で発展する上で、多大な貢献を果たすだろう。
 
工業技術研究院によると、これらの研究成果3項目は未来の趨勢に基づいて開発した生活応用テクノロジーであり、人々により便利なスマートライフを提供し、高齢者のニーズに応えたり、継続可能なエネルギーを開発したりしたものである。価値の高い革新的研究開発成果であるばかりでなく、生活、生命、生態の角度から人々のニーズを満足するために着手した先見性のある技術だといえる。20137)

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