「鬼の頭」商標訴訟、ブルーウェイ代理店の勝訴が確定

J130815Y2 2013年9月号(J169)

 ブルーウェイジーンズを代理販売する普威実業股份有限公司(Formosa Blue Way Jean Co., Ltd.、以下「普威実業」、)とボブソンジーンズを販売する株式会社ピーチフォート(Peachfort Co., Ltd.)との「鬼の頭(デザイン)」商標訴訟案件について、最高行政裁判所はピーチフォートの上訴を棄却したため、普威実業の勝訴が確定した。(最高行政裁判所裁定-102,裁,1148-20130815)
 判決書によると、株式会社ボブソン(Bobson Co., Ltd.)は2010年2月に「BOBSON設計図」商標(鬼の頭がデザインされた商標)の登録を知的財産局に出願したが、同じく鬼の頭の商標を2006年に登録している普威実業が両商標のデザインが類似しているとして異議申立を行った。その後「BOBSON設計図」商標は2011年7月にピーチフォートへの移転登録が行われている。知的財産局は異議申立を審理した結果、両商標の図案が類似しており、同一又は高度に類似する商品における使用を指定しているため、消費者に誤認混同を生じさせるおそれがあると認め、ピーチフォートの商標を取り消した。ピーチフォートはこれを不服として行政訴願を提起したが棄却されたため、さらに知的財産裁判所に対して行政訴訟を提起したものの請求は棄却された。ピーチフォートはこれを不服として、さらに最高行政裁判所に上訴していた。
 ピーチフォートは以下のように主張している。同社の商標はオリジナルであり、邪悪な笑みを浮かべ、長く尖った歯をむき出しており、鷲鼻を持ち、西洋の吸血鬼のようなデザインで、著名な「BOBSON」商標と組み合わせている。それに対して、普威実業の商標は鬼の顔の図案で構成される図形商標であり、その図案は東洋の鬼獣の容貌を組み合わせたスタイルのデザインである。両商標を比較すると、一方には「BOBSON」の文字があり、他方にはない。図形デザインも異なるため、消費者に誤認混同を生じさせるおそれはない。
 知的財産裁判所によると、2つの「鬼の頭」図案の設計意匠は似た印象を見る者に与える。ピーチフォートの商標は「BOBSON」の文字と「鬼の頭」図案が組み合わされ、一体設計だと主張されているが、元来の文字の形状が失われているため、消費者は一見して該図案に「BOBSON」の文字が隠れていることに気付かず、それが「鬼の頭」の図形であることのみを認知するため、ピーチフォートの主張を採用できない。両商標の使用指定商品はいずれも人体に着装するもので、且つ普威実業は1998年に「鬼洗及び図」シリーズ商標を自社製ジーンズ等の商品に使用しており、2006、2007年には「鬼洗重生」をテーマに登録し、ジーンズ等の商品を発売している。
 知的財産裁判所は審理の結果、消費者は2つの「鬼の頭」商標を容易に混同すると認めた。さらに最高行政裁判所が上訴を棄却したことにより、本件は判定が確定された。(2013年8月)

TIPLO ECARD Fireshot Video TIPLO Brochure_Japanese TIPLO News Channel TIPLO TOUR 7th FIoor TIPLO TOUR 15th FIoor