外国法人による発明特許出願件数、サムスンとLGがトップ10入り

J130814Y1・J130814Y2 2013年9月号(J169)

 経済部知的財産局が発表した2013年第2四半期知的財産権統計によれば、台湾の発明特許、実用新案の出願件数が減少したため、特許(発明特許、実用新案、意匠を含む)出願件数は全体で小幅ながら3.36%減となったものの、意匠だけは2.31%増となった。また外国法人による出願件数については、米国と韓国が積極的に特許の布陣を固めており、その中でもアップル社は意匠、発明特許ともに出願件数で首位を獲得し、サムスンディスプレーとLG化学もそれぞれ発明特許出願件数番付でトップ10に入っている。
 商標については、成長率算出のベースとなる昨年同時期の水準が高かったため、第2四半期の商標出願件数は8.10%減となった。発明特許案件の審査については処理量が増え、審査完了件数は40.87%増加し、審査順番待ち案件は14万3735件の水準にまで下がっている。出願からファーストアクション(FA)までの平均期間も35.10ヵ月まで短くなった。第3四半期には14万件を切り、目標を予定よりも早く達成できそうだ。
 第2四半期の特許(発明特許、実用新案、意匠を含む)出願件数は2万268件に達し、前年同期比で3.36%減少した。2013年から新特許法が施行され、部分意匠、Icons(コンピュータ画像)及びGUI(図形化ユーザーインターフェース)、組物意匠の登録出願が開放されたため、意匠の出願件数が2218件(2.31%増)に増えている。そのうち部分意匠は416件(意匠全体の18.76%を占める)、組物意匠が60件、Icons及びGUIは25件をそれぞれ占めている。出願人の国籍別にみると、台湾人が1388件(8.95%増)、外国人が830件(7.16%減)となっている。
 さらに発明特許については、第2四半期の出願件数が1万1730件(前年同期比2.42%減)となり、そのうち外国人が6423件(前年同期比で横ばい)、台湾人が5307件(同6.27%減)を占めている。外国人の部分をさらに国籍別にみると日本(2758件)が最多となり、米国(1763件)、韓国(475件)がそれに続いている。外国人の部分を法人別にみると、日米企業が主流で、米アップル(142件)が首位を占めた。2012年第1四半期以降、初めて韓国法人2社が同時にトップ10入りを果たした。そのうちサムスンディスプレー(97件)は3位に番付され、台湾の友達光電股份有限公司(109件)に迫っており、パネル産業の競争が白熱していることがうかがえる。また、電子材料領域のLG化学(70件)は初めて9位に番付された。中国による2013年の出願は積極的ではなく、第2四半期には223件(昨年同期比19.20%減)まで減っている。トップ100入りしている中国企業は、パネル産業の上海和輝光電有限公司(16件)、オプトエレクトロニクス産業の信泰光学(深圳)有限公司(16件)、半導体産業の中芯国際集成電路製造(上海)有限公司(12件)。台湾法人の番付では、鴻海精密工業股份有限公司(849件)が安定して首位を占め、2位の台湾積体電路製造股份有限公司(133件、前年同期比79.73%増)はここ2年で急成長している。
 一方、第2四半期の商標出願件数は1万8140件に上ったが、前年同期の水準が高いため8.10%減少している。そのうち台湾人は1万3781件(前年同期比7.40%減)、外国人は4359件(同10.25%減)を占めた。外国人の出願件数を国籍別にみると、米国(894件)が僅差で日本(846件)を上回り首位を占め、中国(634件)が3位を占めた。知的財産局はこれらの数字を楽観視しているほか、積極的に審査順序待ち案件を減らし、商標出願に対する審査と各種サービスの質を向上していくとしている。
 なお、発明特許の審査実績については、知的財産局が審査人員を増やして全面的に審査の処理力を高めたため、2013年第1~2四半期の審査完了件数は2万9844件に達し、前年同期比で40.87%増加しており、審査順番待ち案件数は14万3735件まで減少し、審査着手後最終処分までの平均期間(平均最終処分期間)は43.28ヵ月に短縮している。さらに、ファーストアクション(FA)件数は3万2282件に達し、前年同期比で45.85%増加している。出願からファーストアクション(FA)までの平均期間(平均FA期間)も35.10ヵ月に短縮しているため、今後の平均最終処分期間の短縮にも有利であり、審査順番待ち件数も第3四半期には予定よりも早めに14万件を切ることが期待される。(2013年8月)

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