「LOVOL」は「VOLVO」にそっくり、中国自動車メーカーが商標で敗訴

J131121Y2 2013年12月号(J172)

  中国の河北欧力重工公司(Hebei Aulion Heavy Industries Co., Ltd.、以下「欧力重工」)の登録商標「LOVOL」はスウェーデンのボルボ・トレードマーク・ホールディングAB(以下「ボルボ」)の有名ブランド「VOLVO」に類似しているとして、2012年11月知的財産局から商標登録を取り消された。欧力重工はこれを不服として、経済部に対して行政訴願を提起していたが棄却されたため、その後知的財産裁判所に行政訴訟を提起していた。先ごろ知的財産裁判所は欧力重工に敗訴を言い渡した。(知的財産裁判所行政判決-102,行商訴,78-20131114)
 欧力重工側の主張によると、「LOVOL」商標は2006年から米国、EU、カナダ、日本など200余りの国・地域で登録を出願し、すでに数十の国・地域で商標が登録された。また中国では広く使用され、中国で99番目に高い価値を有するブランドとして評価されており、消費者に誤認混同させる虞はないはずである。
  一方ボルボ側の主張によると、「VOLVO」はラテン語で、「私は回る」を意味し、その字義は台湾消費者に広く知悉されておらず、よく見かけられる文字でもなく、独創的商標に属するため、より大きな保護を受けるべきである。欧力重工はコピーする意図を以て商標「VOLVO」の「L、O、V」の配列を多少入れ替えただけなので、外観は高度に類似しているという印象を与え、消費者に誤認混同を生じさせる虞があり、また他人の商標の知名度を利用しようとした疑いもある。
 知的財産裁判所は判決の結論において以下のように述べている。「VOLVO」商標の識別力は高く、欧力重工の登録出願は善意によるものではなく、両商標が類似しており、いずれも同一又は高度に類似している役務(両者とも銀行、信託、融資、保険、資産評価及び不動産管理等の項目に属する)における使用を指定している。「VOLVO」商標が消費者に熟知されていること、さらに両商標の販売方式や販売場所が類似していること等の因子から総合的に判断し、消費者に両商標が同一の出所からのシリーズ商品であると誤認させる、又は両商標の使用者の間に関連企業、使用許諾関係、加盟関係又はその他これらに類する関係が存在すると誤認させ、誤認混同を生じさせる可能性が十分にあると認め、これにより欧力重工に敗訴を言い渡すものである。本件はさらに上訴できる。(2013年11月)

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