米「2014 R&D 100 Awards」発表、工研院の2技術が評価される

J140715Y8・J140715Z8 2014年8月号(J180)

 米「2014 R&D 100 Awards」の審査結果が発表され、工業技術研究院(Industrial Technology Research Institute、略称はITRI)の「カルシウム・ルーピングによる二酸化炭素捕獲技術(High-Efficiency Calcium Looping Technology, HECLOT)」と「インライン型即時熱分析装置(In-Line Compact Thermal Analyzer, ICTA)」の研究成果2項目が受賞した。今年受賞した技術2項目はそれぞれ環境テクノロジー分野とイメージング技術分野で評価されたもので、日本の日立、ドイツのシーメンス、米国のNASA、スタンフォード大学などと肩を並べた。世界に台湾の研究開発力を示すことができただけではなく、受賞した技術は実際にセメントメーカーやLEDメーカーと提携して、二酸化酸素排出削減や生産効率の向上に応用されている。
 ITRIのニュースリリースによると、独創的な技術である「カルシウム・ルーピングによる二酸化炭素捕獲技術」はセメントメーカーと提携する方式が採用されている。現在は台湾水泥(Taiwan Cement Corporation 、略称TCC)に技術移転され、世界最大規模のカルシウム・ルーピング・プロセス試験工場が設置されている。その二酸化炭素捕獲量は1時間当たり1.0トンに達しており、国際エネルギー機関(IEA)から世界の二酸化炭素削減技術の中で削減量が最も多いと認定され、セメントメーカーや発電所など二酸化炭素排出が多い場所における有効な処理方法の一つであるとされている。「カルシウム・ルーピングによる二酸化炭素捕獲技術」は技術革新、二酸化炭素排出削減効率、産業にとってのメリットといういずれの角度からみても優れているため、国際的な賞を獲得できた。また、この二酸化炭素排出削減技術を掌握している産業には、捕獲した二酸化炭素を原料として販売するだけではなく、将来は二酸化炭素排出権取引市場に参入したり、「バイオ炭(Biochar)法」で微細藻類を培養してバイオ燃料や経済効果の高い藻類製品に転化したりするという可能性もある。
 さらに、もう一つの受賞技術「インライン型即時熱分析装置」はわずか3分以内で、LED封入部品の熱構造を完全に測定することができ、現在のところ世界で最高の効率を有する熱分析装置となっている。同技術はLED自動化機械(オプトエレクトロニクス関連機械)との統合に成功し、世界初の自動化LED熱抵抗測定設備が開発されている。1時間当たり1万2000個の部品を測定でき、これは1個当たりの測定時間がわずか0.3秒であり、従来実験室で1時間当たり6個しか測定できなかったのに比べて、速度は2000倍速くなっている。現在はすでにLED設備メーカーの旺矽科技(MPI Corporation)と提携して、世界初の過渡熱構造分析とインライン型熱抵抗測定機能を組み合わせた分析装置を開発しており、これは2014年末には商品化の段階に入る予定。同時に研究開発と量産認証のニーズを満たすことができ、インラインでリアルタイムのモニタリング、不良品のチェック、製造工程の最適化、歩留まり率の向上を行い、LED照明製品の不良率を大幅に下げ、消費者のLED製品購入に対してより大きな保障を提供できる。(2014年7月)

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