工業技術研究院と日本のKomoriが新型タッチパネル技術を発表

J140827Y5・J140827Z5 2014年9月号(J181)

 中大型タッチパネル薄膜の製造工程が大きく躍進した。工業技術研究院(Industrial Technology Research Institute、ITRI)は(株)小森マシナリー(世界印刷大手の小森コーポレーションの子会社、以下「Komori」)とともに8月26日、世界最先端の「ワンステップ量産型ロール・ツー・ロールメタルメッシュ」を発表した。11.6型タブレットPCに使用するタッチパネル薄膜の印刷を1回の工程で完了できるため、材料や設備投資を簡素化して、コストを約3分の1削減でき、タッチパネルメーカーの国際競争力向上に役立つものとみられる。
 ITRI電子與光電研究所(Electronics and Optoelectronics Research Laboratories)の劉軍廷所長によれば、ITRIのフレキシブル・エレクトロニクス製造工程、材料及びモジュールの統合力と、Komoriの機械製作力及び精密印刷技術とを結合して、2013年にはナロウベゼルの薄型タッチパネルモジュールを完成し、さらに2014年には超薄、ナロウベゼル、低コスト、シンプルな製造工程というタッチパネル製品の動向に合わせて、量産型中大型タッチパネル薄膜の開発に成功した。、これは金属配線とメタルメッシュを印刷するもので、酸化インジウム錫(ITO)フィルムに代替できる。
 また、製造工程においても大きな躍進を遂げている。ITRIはKomoriと提携し、全印刷方式でメタルメッシュを印刷することで、元来はナロウベゼル印刷とメッシュメタル印刷の2工程が必要だったところを、現在は同時に印刷できる。ワンステップで2種類の異なる線幅の印刷を行うことで、工程が煩雑でコストが高いフォトエッチング工程に代替することができ、またタッチパネルモジュールサイズを3.5型から11.6型にまで大型化することができる。歩留まり率と生産速度はいずれも量産規格に近づいている。
 劉所長によると、現在市販されている多くの携帯電話端末、タブレットPCのタッチパネルにはITOフィルムが使用されているが、ITOはコストが高く、回収が難しいなどのデメリットがあり、産業界ではその代替品を探してきた。ITRIはITOに代わるメッシュメタルを開発した。その最小線幅は5μmに達し、透明度が高く、反応速度を高めることが可能なので、さらに大型のタッチパネルに応用できる。(2014年8月)
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