三井日本料理の敗訴で「三井MITSUI及び図」商標登録拒絶は確定

J141031Y2 2014年11月号(J183)

   著名な三井日本料理餐廳有限公司(以下「三井日本料理」)は2010年、「三井MITSUI及び図」商標登録を出願し、当時の商標法施行細則第13条で規定される商品及び役務区分表第35類「食品小売、飲料品小売、農産物小売、水産物小売」等の役務での使用を指定した。知的財産局が審査した結果、該商標は日商三井物産股份有限公司の「三井」、「三井物産」、「MITSUI」等の商標と構成が類似しており、両者の商標が指定又は使用する役務の間にも関連性がある上、さらに三井物産の商標は三井日本料理が商標登録を出願する前に登録されており、消費者が普遍的に認知し、著名といえる域に達していると認めた。よって「三井MITSUI及び図」は大衆に誤認混同を容易に生じさせるため、拒絶査定を行った。三井日本料理はこれを不服として行政訴願を提起したが、訴願機関から棄却されたため、さらに不服として、その後行政訴訟を提起した。
 三井日本料理は主張として、商標は属地主義であり、三井物産は台湾において高い知名度を有しておらず、レストランを開いたり、食品小売業務に従事したりしていない上、いかなる食品小売に従事している証拠資料もなく、況してや、三井日本料理が登録を出願した「三井MITSUI及び図」は外観・呼称及び観念ともに三井物産とは異なり、商標使用を指定する役務の項目も異なるため、両者は類似商標ではないと述べた。
 一方、知的財産局側は、両社の商標の使用を指定する商品・役務の区分は異なるものの、三井物産の「三井」、「三井物産」、「MITSUI」等商標は著名商標であり、三井物産の知名度によって、それが保護する商品の範囲も自ずと広くなるので、使用を指定する商品の区分だけに制限すべきではないと認めた。
 知的財産裁判所は両者の識別力の強さ、両商標の近似度、商品又は役務の類似度等の関連因子の強弱、相互に影響しあう関係性又は各因子等を斟酌した結果、「三井MITSUI及び図」は商標法第30条第1項第11号前段に定められている登録を受けることができない状況に該当するため、三井日本料理の主張を棄却するとの判決を下した。三井日本料理はなお不服として上訴を提起したものの、最高行政裁判所は先日、三井日本料理が知的財産裁判所の原判決にどのような法令違反があるかを具体的に指摘していないと認定して、上訴棄却の裁定を下し、全案は確定した。(2014年10月)
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