2014年ニュルンベルク国際発明展、台湾は金メダル19個獲得
J141103Y1・J141103Z1 2014年12月号(J184)
2014年ニュルンベルク国際発明展(iENA 2014)の受賞者リストが発表された。今回は37ヶ国から700点余りの発明が参加し、台湾は金メダル19個、銀メダル26個、銅メダル31個を獲得し、開催国であるドイツ、中国に続いて世界3位という成績を収めた。
今年、台湾からはバイオ器材、家庭用品、交通設備等の実用的な発明が参加し、審査員から高い評価を受け、好成績を収めた。金メダル受賞発明には、「複合型キャンプランタン」、「強力フック」、「ブルートゥース・スマート・ベビーバス」、「表面プラズモン共鳴感知システム、装置及び方法(Localized Surface Plasmon Resonance Sensing System, Appartatus, Method Thereof)」等がある。
台北城市科技大学(Taipei Chengshih University of Science & Technology,TPCU)は金メダル4個、銀メダル1個、銅メダル1個を獲得し、台湾からの参加団体の中では金メダル受賞数が最も多かった。電機工学部(Department of Electrical Engineering)の蔡彦欣准教授は同時に2つの金メダルを獲得した。一つは「複合型キャンプランタン」で、これには照明、蚊よけ、蛇よけ、GPS(衛星測位システム)、USB携帯電話充電、振動型発電機などの機能をそなえ、蚊、蛇、携帯電話のバッテリ切れという問題を解決できる。出発前にコンピュータでGPSをオンに設定すれば、家族にキャンパーの正確な位置を伝えることができる。もう一つの発明である「強力フック」は平らな壁に緊密に貼り合わせると、瞬間的な外的負荷力が15キログラム、長期外的負荷力が3.1キログラムにそれぞれ達するため、家庭の浴室、台所、ベッドルーム、冷蔵庫の表面、タンスの表面に幅広く使用でき、貼付が簡単で、丈夫で、交換も簡単なので、現在はすでに中国とEUで特許を取得し、商品化されている。
台北城市科技大学コンピュータ及び通信工学部(Department of Computer and Communication Engineering)の蔡耀斌講師と学生が共同開発した「ブルートゥース・スマート・ベビーバス」は水温を検知して発光する。青ランプは「温度が低すぎ」、緑ランプは「適温」、赤ランプは「温度が高すぎ」を示している。ブルートゥースでスマートフォンにつなげば、水位が高すぎる時にアラーム音を発して水道のバルブを閉め、ベビーが泣いた時は、バス本体から音楽が流れる。すでに多くの業者が生産のため提携の商談を進めており、2015年に発売される見通し。
南華大学(Nanhua University)自然生物技術学部(Department of Natural Biotechnology)の許偉庭准教授が開発した「表面プラズモン共鳴感知システム、装置及び方法(Localized Surface Plasmon Resonance Sensing System, Appartatus, Method Thereof)」はナノ粒子の表面プラズモン特性を用いて、そのプラズモン共鳴特性を光ファイバーに持たせ、誘導された生化学分子が検知標的の識別能力を有することにより、分析したい物質の識別を行う時に光ファイバーの末端の変化で結果を知ることができる。許准教授によれば、感知方法はスピーディで敏感なため、血液中の分析物質を検知するときは、一滴の血液量だけで良く、約10分間で結果が得られる。これにより医療上のスクリーニング検査に応用でき、製造コストも安く、その発展の可能性は高い。現在のところは米国と台湾ですでに特許を取得している。
そのほかに、遠東科技大學(Far East University)が開発した「溺水ブレスレット」は、ブレスレットのボタンを押すだけで、蛍光塗料と浮き玉が放出され、高明度のLEDライトが点滅し始めるため、救助を求めるのに役立つ。発明家の廖人慶氏が開発した「二重構造パンク防止タイヤ及び車輪」はタイヤを二重構造とし、タイヤホイールの中間にゴム層を増やすことで、パンク時におけるホイールの摩擦損傷を避けることができる。光啓高中の「ブレーキバランスを有する自転車ブレーキ構造」と銘傳国中の「塵取り構造」はいずれも現地企業の人気を集め、技術移転の提携相手を探している。(2014年11月)