朱銘氏の作品を違法に複製、模倣被害額は9億新台湾ドル

J141224X3 2015年1月号(J185)

 

   台湾の著名な芸術家である朱銘氏は「太極」シリーズ等の著名な芸術品を創作してきたが、提携企業がその希少価値を利用して、許諾を受けず違法に複製して販売した。法務部調査局の北部地区機動工作站(Northern Mobile Team、以下「北機站」)は台北の社子、桃園の蘆竹、台中の烏日、彰化の芬園及び南投等の地域にある銅鋳造工場、美術品販売店を捜索して、「太極」シリーズ以外に「関公」、「媽祖」、「達摩」等多数の木彫りや鋳造の模倣品、金型、カタログを押収し、その模倣被害額は計9億新台湾ドルに上った。
   朱氏は伝統的な木彫刻と現代彫刻の精神を融合し、その作品はラインがシンプルながら、生命力にあふれ、見る者を感動させている。朱氏の作品は海外でも注目を集め、1997年にはパリのヴァンドーム広場で盛大な展覧会が行われた。1999年には台湾の人々が作品を鑑賞できるよう新北市金山区に「朱銘美術館」を設立した。
   検察と調査局が調べたところ、容疑者らは朱氏と金型製作の契約を結んだ時に金型を一つ多く複製したり、契約通りに金型を破棄せずに保留したり、さらには正規品から型を取って金型を製作したりしていた。今回押収された高さ2.8mの「太極」シリーズ「単鞭下勢」は正規品の価格が7200万新台湾ドル、高さ3.6mの「十字手」は正規品の価格が6120万新台湾ドルに上る。さらに著名なコレクターである葉栄嘉容疑者が新竹に設立した国家芸術園区において、「太極」シリーズの「起勢」、「単鞭下勢」、「拱門」等の大型模倣品が見つかったほか、同区内で「起勢」の完全な金型と「単鞭下勢」の金型半製品も発見されており、同区に他にも模倣品がないかを引き続き調査する。朱氏は葉容疑者を告訴することを決めている。
   さらに、台北の社子にある富龍芸術銅像有限公司の責任者、高健忠容疑者は朱氏と十年余りにわたって提携してきたが、妙見芸術文物の施景文容疑者に外部から朱氏の模倣品の注文を受けるよう委託していた。宜興鋳銅企業社を設立した童清浪容疑者や大智鋳銅有限公司を設立した童穎峰容疑者、童時彦容疑者等は以前に朱氏と契約を結んだことがある。さらに検察官と調査局局員は蓮壇企業、新屋芸術中心でも模倣品を押収しており、高容疑者等は著作権法違反で士林地方検察署へ送検された。(2014年12月)

 

TIPLO ECARD Fireshot Video TIPLO Brochure_Japanese TIPLO News Channel TIPLO TOUR 7th FIoor TIPLO TOUR 15th FIoor