財政部関務署が2014年の業績レビューを公告

J150118Y6・J150114Y6 2015年2月号(J186)

 財政部関務署(The Customs Administration, Ministry of Finance)が2014年業績レビューを公告した。2014年を振り返ると、関務署は税関法規の合理化を促進するため、合計80項目の法規を改正、制定している。その重点は次の通り。
1.「關税法(関税法)」を改正。運送業者(フォワーダー)による多国間混載作業(MCC)の法的根拠を追加するとともに、公平を期すため、保税工場の機器設備輸入について輸出加工区やサイエンスパークと同様に関税を免除することを追加している。
2.「進口舊汽車核估作業要點(輸入中古車の課税価格査定作業要点)」を改正。輸入中古車の課税価格(CIF価格)の査定手順を明確に定め、遵守しやすくして、争議や訴訟の原因を減らしている。
3.「郵包物品進出口通關辦法(郵便小包輸出入通関弁法)」を制定。郵便小包の輸入が頻繁な場合は、課税価格が3,000新台湾ドル以下の場合は免税とする規定を適用しない。
4.「進口貨物先放後稅實施辦法(輸入貨物先通関後課税実施弁法)」を改正。通関業者の代表者が規定により間接担保を提供することを開放し、国家税源の保全と業者の経営上の必要性を両方とも満足させる。
5.「海關緝私案件減免處罰標準(税関密輸案件の罰則免減基準)」を改正。輸出虚偽申告案件に対する罰則免除の基準を緩和する一方、悪徳業者による少額脱税罰則免除規定の濫用を防止するため、1年以内に3回以上違反した累犯は適用対象から除外することを追加している。
 通関スピードを高めるために推進された多くの重要な措置には以下が含まれる。
1. 海運エクスプレス貨物専用区(Maritime Express Handling Unit)の前期設置作業を完成。両岸間の海上に貨物エクスプレスコリドーを構築して、わが国の港・埠頭における国境を越えた輸送量を高める。
2. 多国間混載(MCC)作業を推進。フォワーダーが他国の港で申請したMCCサービス業務についてわが国をハブとすることを奨励することで、台湾の港・埠頭の運営効率を高める。
3. 徴税作業のバーコード化と電子化。税関が発行する税金、料金及び保証金等の支払通知書を徐々に標準規格のバーコードで作成することで、銀行カウンターでの作業効率を高め、人件費を削減する。
4. CPT単一窓口(Customs-Port-Trade Single Window)からの自動通知アプリサービスを提供。業者はモバイルデバイスでリアルタイムに通関状況を掌握でき、サービスの質を大幅に向上できる。
5. AEO(Authorized Economic Operator)事業者の認証及び管理システムを継続的に推進。2014年末現在で、AEO業者は約600社に達し、輸出入総額の約42%を占めている。さらに日本、ニュージーランド、中国等との相互認証協定調印を目指していく。
 安全チェックについても、次の通り関務署は多くの措置を推進している。
1. スピード通関環境の健全化。関連法規を制定・改正する他、「出口雲端快遞貨物通關通知機制(クラウドサービスによるエクスプレス貨物輸出通関通知システム)」を設置し、リアルタイムに倉庫への搬出入(出入庫)の情報を掌握できるようにしている。またエクスプレス貨物の「先内容点検・後入庫」や「エクスプレス貨物運送業者(Express delivery enterprise)クラス分け制度」を実施している。
2. 知的財産権の水際における保護を確実に実施。「海關査扣侵害專利權物實施辦法(税関による専利権侵害疑義物品の輸入差止め実施弁法)」を制定し、専利権者と輸出入者の両方の権益を守っている。また知的財産権告発案件に係るオンライン申請サービスを提供し、申請作業を大幅に簡略化している。
3. 水際における食品安全の管理に協力。資料を主務機関の追跡のために提供する他、油脂輸入業者に用途を申告するよう要求。さらに各主務機関の許可文書を添付しないと輸入申告をできないようにして、食用以外の油脂の違法な流用を食い止めている。
4. 中国製鉄鋼のダンピングを防止。高価格を低く申告する状況がみられた場合、規定によりサンプルを抽出して価格を調査する他、異常な案件は両岸協力システムを通じて、中国側に調査協力を依頼する。
5. 麻薬探知犬チームの訓練と育成を強化。米国と「冷凍イヌ精液移転協定」に署名して米国の優秀な麻薬探知犬種を導入するとともに、2014年末には初めての麻薬探知犬訓練を完了し、水際捜査において有効に協力している。(2015年1月)

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