「胡博士DR.HU&DEVICE」商標登録、最高行政裁判所が敗訴判決

J150317Y2 2015年4月号(J188)
 林之林科技股份有限公司(SHINE & HUGO INTERNATIONAL CO., LTD.、以下「林之林公司」)は2011年5月4日に経済部知的財産局に対して当時の商標法施行細則第13条に定める商品及び役務区分表第3類フェイシャルマスク、化粧品等商品での使用を指定し「胡博士DR.HU&DEVICE」商標の登録を出願し、登録を許可された。しかし達爾膚生醫科技股份有限公司(DR.WU SKINCARE CO.LTD、前身は天昱生物科技股份有限公司、以下「達爾膚公司」)は2012年9月19日、「胡博士DR.HU&DEVICE」商標の登録が商標法第30条第1項第10~12号の規定に違反しているとして異議を申し立てた。知的財産局は審理した結果「異議申立不成立」の処分を下した。達爾膚公司はこれを不服として行政訴願を提起したところ、経済部は「原処分を取り消し、知的財産局が改めて適法な処分を行う」との決定を下した。林之林公司は該訴願決定を不服とし、知的財産裁判所に行政訴訟を提起したが請求を棄却されたため、その後最高行政裁判所に上訴していた。
 最高行政裁判所は判決書で以下のように指摘している。両商標の要部はそれぞれ「DR.HU」と「DR.WU」であり、その中の「DR.」部分が「DOCTOR」の略称であることは国民に周知されており、識別力を有さないため、比較すべき両商標の要部は「HU」と「WU」となる。文字を比較すると、両商標は「H」と「W」というわずか差異にとどまっている。称呼については、両商標ともに「ㄨ(日本語の「う」に相当)」の音を有するため差異は大きくない。さらに「胡博士DR.HU&DEVICE」商標には白字の「胡博士」という中国語があるが、この部分の文字は外国語の直訳であるという印象を与え、外国語が人目を引くことに変わりはない。よって、関連する消費者が「胡博士DR.HU&DEVICE」商標を観察するとき、中国語部分を省略するにはいたっていないものの、外国語を直訳した後に同じ意味をもつ表現であることを理解しているため、「胡博士DR.HU&DEVICE」商標の外国語部分はなお商標の要部である。これにより、二商標は外観、観念又は称呼においていずれも類似しており、関連する消費者に誤認混同を生じさせるおそれがある。
 また、両商標はいずれも商品及び役務区分表弟3類のフェイシャルマスク、化粧品等の商品を指定商品としている。達爾膚公司は2003年の創業以来、「DR.WU」等商標を用い国内外メディアを通じて大量に広報又は報道してきており、知的財産局中台評字第H00980062号、H00990160号商標(異議申立)審決書及び知的財産裁判所99年度行商訴字第224号判決書にはそれぞれ著名商標に該当すると認定されたことが記録されている。よって、「胡博士DR.HU&DEVICE」商標は2011年5月4日に登録される以前に、「DR.WU」等商標はすでに消費者に広く知られていたといえる。
 さらに最高行政法裁判所は判決書で以下のように指摘している。本件二商標の全体外観と要部は高度に類似しており、使用を指定した商品と役務も高度に類似しているため、関連する消費者に二商標の商品/役務が同一の出所からのシリーズ商品/役務であると誤認させる、又は両商標の使用者の間に関連企業、使用許諾関係、加盟関係又はその他これらに類する関係が存在すると誤認させる可能性がある。よって知的財産裁判所が審理において、「胡博士DR.HU&DEVICE」商標の登録は商標法第30条第1項第10号、第11号の規定に該当すると認定し、林之林公司の訴願決定取消請求を棄却したことには誤りがない。このため、最高行政裁判所は林之林公司の上訴には理由がないと認定し、上訴を棄却する判決を下した。(2015年3月)
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