NARLabsが「マルチセンサ統合SoC技術」開発に成功、スマートライフの新契機に

J150325Y5・J150324Y5 2015年4月号(J188)
  「こんにちは。あなたの最近の生活のサイクル、運動の頻度及び身体データによりますと、最近はたいへん健康な状態にあります」というメッセージがイヤホンから聞こえてきても驚く必要はない。これは数年内に実現される可能性がある。
 財団法人国家実験研究院(National Applied Research Laboratories、略称NARLabs)の国家晶片系統設計中心(National Chip Implementation Center、略称CIC)が「多感測整合單晶片技術(マルチセンサ統合SoC技術)」を開発した。これにより台湾が得意とする半導体技術で微小、低価格、省エネという特徴を有するマルチセンサ搭載のSoCを実現することができ、ウェアラブル・デバイスのスマート機能、IoT機能をさらに強化できる。
 CICのニュースリリースによると、現在のところ、センサチップ関連技術はいずれも海外の大手企業に掌握されており、三領域(スポーツ、環境、バイオメディカル)のセンサチップのデザインが可動か固定かという設計の違い、及び電極に使用される金属の種類によって制約を受け、領域別に三種類の製造工程が必要だという。単一のウェアラブル・デバイス(スマートフォン、スマートウォッチなど)又はIoT向けチップが同時に三領域のセンサ機能を有する必要がある場合、異なる領域のセンサチップ間、並びにセンサチップとシステム回路との間において更なる統合ができないため、微小化や省エネ化が困難であり、生産コストが高くなってしまう。
 「マルチセンサ統合SoC技術」はCICが業者と共同開発したもので、振動マイクロマシン構造を通常のICに統合して、異なる金属や半導体IC製造工程を一つの基板上に統合するという課題を克服し、スポーツ、環境及びバイオメディカルのセンサとIC回路との統合認証を完了した。今後はモノチップに異なる種類のセンサ機能を持たせることができ、さらには無線通信、計算及びメモリ等の通常のIC機能も一緒に統合することができる。
 この技術は台湾独自の技術であり、台湾8インチウエハ工場の標準的な製造工程を用いて、設計及びテスト等の技術と組み合わせることにより、単一の標準的な製造工程で種類の異なるマルチセンサ統合SoCを製造することができ、低コスト、微小、省エネ等の特徴をそなえ、システム統合に高い柔軟性をもたらすことができる。CICは今後国内の製造工程業者及び封入業者と提携し、同技術の実用化を促進していく。さらに学界とも提携し、学界による多種多様な新規センサチップの研究開発を進めるとともに、産業界による量産導入に協調していく。学界と産業界がCICの技術プラットフォームを利用して提携し、センサSoCのキーパーツをを開発して、ウェアラブル・デバイスやIoT統合製品を商品化し、世界スマートセンサチップ市場へ共に参入することで、ウェアラブル・デバイスやIoTのブームに乗り、台湾半導体産業に新たな契機をもたらしていく。(2015年3月)
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