トムソン・ロイター最新レポート「台湾イノベーションの代表は台積電、成大、交大」

J150526Y1 2015年6月号(J190)
 世界をリードするインテリジェント情報プロバイダのトムソン・ロイターが最新研究レポートを発表し、その中で世界各地における12技術分野の科学文献と特許文書を分析し、イノベーション力が最も高い企業、研究機関及び技術分野を選出している。同レポートでは、アジアと世界の両方で台湾を代表する企業・機関として台湾積体電路製造股份有限公司(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.、以下「台湾積体電路」)、国立成功大学(National Cheng Kung University)及び国立交通大学(National Chiao Tung University)が挙げられている。
 トムソン・ロイターの傘下にあるIP & Science部門は2015年5月26日、公式サイトにおいて「The State of Innovation ~イノベーションの最前線~」を発表した。同サイトでは、最も権威ある世界のイノベーション動向資料や個別の産業におけるイノベーションのライフサイクル(Lifecycle of Innovation)に対する洞察が示されている。今月はトムソン・ロイターの最新研究レポート「The Future Is Open: 2015 State of Innovation」の主な内容が掲載されている。
 トムソン・ロイターのアナリストがここ5年間にわたる世界各地における特許及び科学文献資料を調べ、イノベーション力が最も高い企業、研究機関及び技術分野を選出した。アジアと世界の両方で台湾を代表する企業・機関として台湾積体電路(2010~2014年アジアの半導体材料イノベータートップ5)、国立成功大学(2004~2014年世界の家電分野で最も成果が多い科学研究機関トップ10)及び国立交通大学(2004~2014年世界の半導体分野で最も成果が多い科学研究機関トップ10)が含まれる。
 トムソン・ロイターによると、2015年レポートの重要な発見には、イノベーションの年成長率が低下していることが含まれるという。総体的にみて、世界の特許件数は2014年わずか3%の増加にとどまり、2009年に世界経済後退が終息して以来最低の特許件数成長率となった。科学研究総件数も34 %減少し、半導体産業の特許及び科学研究件数については最大の減少幅を呈している。
 全体の年成長率は低下しているが、世界の特許件数はなお過去最高記録を更新し、過去1年間で210万件のユニークな革新技術が発表されている。特許件数の成長が最も速い産業は食品、タバコ及び醸造酒(21%)、製薬(12%)、化粧品(8%)及びバイオ(7%)となっている。
 産業調査のほとんどは「オープンイノベーション(open innovation)」に向かって発展しており、企業が学術機関、独立の研究員又はその他の企業(一部のケースにおいて、競合者であることもある)と提携していることを指摘している。サムスンの場合、積極的に学術機関との半導体技術の開発に関する提携に着手しており、同分野では特許出願案件1万件当たり129.1件が学術機関との提携で完成されたものだという。 
 さらに、従来型産業は境界線が徐々にあいまいになってきている。これは主にモノのインターネット(IoT)の台頭から影響を受けたもので、産業や企業の得意とする分野の境界線が徐々にあいまいになってきている。レポートの調査対象において、アップル(Apple)、デュポン(DuPont)、ゼネラル・エレクトリック(General Electric)、IBM、サムスンを含む数十社は、自社の核心的業務分野以外にその他の産業においても特許件数で他社をリードしている。(2015年5月)
TIPLO ECARD Fireshot Video TIPLO Brochure_Japanese TIPLO News Channel TIPLO TOUR 7th FIoor TIPLO TOUR 15th FIoor