日盛証券が日盛投信を商標権侵害で提訴、知的財産裁判所は社名変更不要と判決

J150828Y2 2015年9月号(J193)
  日盛証券股份有限公司(Jihsun securities Co.,LTD.、以下「日盛証券」)は日盛証券投資信託股份有限公司(以下「日盛投信」)に対して商標権侵害のため社名変更を請求する訴訟を提起した。知的財産裁判所は日盛証券が日盛投信に対して「日盛」の二文字を社名として使用することを「黙認」してきたと認定し、日盛投信に違法の状況はなく社名変更の必要はないとの判決を下した。
  日盛証券は以下のように主張した。同社は1961年の創立以来50年以上の歴史があり、1980年には年商100億新台湾ドル以上の有名証券会社となり、高い知名度を有しており、1988年には「日盛」商標を取得している。日盛投信は日盛証券の関連企業ではなく、また親会社である日盛金融控股股份有限公司(Jih Sun Financial Holding Co., Ltd.)のメンバーでもないが、長期にわたって「日盛」の名称を使用しているため、部外者にその子会社であると誤認混同させている。さらに、両社はビジネス上の提携や取引があるが、それによって日盛投信が「日盛」を社名に使用することを「黙認」したというわけではない。よって日盛投信は日盛証券の商標権を侵害している。
  一方、日盛投信は以下のように答弁した。両社は同じ流れを汲み、1996年に会社設立を準備した折、日盛証券の総経理が社内文書で「全力で協力する」よう指示し、その後日盛証券は(日盛投信の)金融商品を数多く代理販売している。2006年日盛証券は日盛投信と日盛グループ傘下にあるその他の子会社9社に対してグループ内の営業費用を分担するよう要求しているほか、長期にわたって対外的な広告文には日盛投信を子会社として列挙しており、これは日盛証券が日盛投信に「日盛」を社名に使用することを同意したことを示すものである。日盛投信も創業17年の歴史を有し、日盛証券のために知名度を高めてきた。(日盛投信は)100億新台湾ドル以上の資金を募集し、日盛証券に数千万新台湾ドルの手続料収入をもたらした。双方は共に「日盛」という看板を共に磨き上げてきたといえる。日盛証券の株主が交替したからといって日盛投信に社名変更を要求することはできず、その要求は信義誠実の原則に反する。
  知的財産裁判所は以下のような判決を下した。日盛証券は社内文書で日盛投信の設立を「全力で協力する」よう指示し、少なくとも2人の歴代董事長が日盛投信に「日盛」を社名に使用することに同意しており、日盛証券は単に黙認したにとどまらず、日盛投信の設立と営業を明らかに知り、且つ積極的に協力していた。日盛証券は日盛投信に「日盛」を社名に使用することを黙認したものである。さらに1993年の商標法には、他人の商標図案の中にある文字を社名に使用することを権利侵害行為とするとは明確に規定されていなかった。よって、日盛投信に違法の状況は見られず、社名変更の必要はない。(2015年8月)
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