「エピ・ライン」商標権侵害訴訟、知的財産裁判所は二阿国際に敗訴の判決

J150813Y2 2015年9月号(J193)
  二阿国際股份有限公司(2R International co., Ltd.、以下「二阿国際」)は皮革バッグの設計及び販売の業務に従事しており、「2R」ブランドを立ち上げている。同社は台湾に実体店舗を3店経営している他、Yahooサイトにオンラインショップ「2R真皮旗艦網購站」を設置している。それが販売する商品はルイ・ヴィトン マルティエ社(中国語名:路易威登馬爾悌耶公司、英語名:Louis Vuitton Malletier、以下「LV社」)が所有する「エピ・ライン」商標を模倣している疑いがあるとして、LV社は2014年3月に警察に通報した。警察は二阿国際の店舗を捜索し、LVクラシックタイプのノエ(巾着型バッグ)、ネヴァーフル等合計8点を押収した。これを受けLV社は裁判所に対し、二阿国際がLV社の商標権を侵害したとして二阿国際とその代表者を相手取り告訴を提起した。
  知的財産裁判所は判決において、「エピ・ライン」は汎用される図形ではなく、LV社のオリジナルであり、2003年12月1日に台湾で商標権を取得した。同商標は1985年からLV社が販売するハンドバッグ等の商品に型押し柄の標識として使用されており、「エピ・ライン」のノエとネヴァーフルはLV社にとって近年の主力商品となっている。同商標はLV社が自らデザインしたオリジナルであり、且つ実際にハンドバックに使用されており、すでに相当な期間にわたって販売され、同商標の図案を型押しされたハンドバッグを聞いたり、見たりすれば、誰でもLV社を連想する。よって生来的識別力(inherent distinctiveness)と使用による識別力(secondary meaning、acquired distinctiveness)を有する。
  さらに、LV社が裁判所に提出したエピ・ライン商標を有するバッグ2点と、押収された縞模様を型押しされているバッグ8点とを比較すると、両者の縞の方向が一致し、縞の太さも類似しており、外観上類似を構成していた。二阿国際は販売するバッグに2Rマークのタグを付けているか、又は「ROOTY」型押し柄を有するかしているが、高度に類似しており、二商標の指定商品も類似しているため、関連の消費者に容易に誤認混同させてしまう。
  知的財産裁判所は判決において、LV社は押収したバッグの平均価格である2686新台湾ドルの500倍に相当する損害賠償額134万3000新台湾ドルを請求しているが、二阿国際の侵害状況、経営規模、コピー商品の数量、コピー商標の類似程度、市場における流通の状況等を斟酌して、平均価格の200倍で算出するのが妥当であり、二阿国際及びその代表者は連帯で53万7200新台湾ドルを賠償するとともに、一日新聞に謝罪広告を掲載することを命じた。(2015年8月)
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